注意!子どもが発する「メンタル不調」のサイン 何かいつもと違う「心・身体・行動」を見逃すな | ゆきちゃんのブログ

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メンタルの不調は目に見えにくく、本人も周囲も気が付きにくいものです。ある日突然不調に陥るものではなく、日々の積み重ねで、少しずつ調子が崩れていきます。本稿では、スポーツに従事するわが子や生徒などのメンタル不調をどう見極めるか。

心・身体・行動に現れる不調のサイン

部活動や競技生活の真っ盛りの時期は、まさに思春期真っ只中です。この期間に、ストレスが増大し、そこで上手く対応できずメンタルヘルス不調・障害をきたす可能性は大いにあるでしょう。

メンタルヘルスもフィジカルヘルスと同じように早めに対処することが大切ですが、現実は違っています。フィジカルヘルス、つまり身体の怪我は傷やあざとして、目に見える形で現れることがほとんどですが、メンタルヘルス、つまり心の怪我は見えにくくわかりづらいので対処が遅れてしまいがちです。

 

では、メンタルヘルスの不調に苦しんでいる選手はどのように見極めたらよいのでしょうか。ひと言で言うなら、「普段のその人(自分)と違っていないか」を観察することでしょう。その違いは、心・身体・行動に現れます。

 

まず、心を例にとると、イライラしたり、やる気が出なかったり、何をやっても楽しくない、自分の価値を感じられないといった心境になることがサインです。とはいえ、こういった気分や気持ちは多くの人が経験することで、そういった気持ちが現れたからといってその全てが要注意かというとそうではありません。

 

すぐに対処すべき違いの見極めのポイントはそれらの状態・症状の持続性と強度です。普段寝て起きたら、悪い状態・症状が解決しているという人が、寝てもなかなか改善しなかったり、普段よりもその程度が強かったり長引いたりするというのが判断のポイントです。

 

次に、身体に現れるサインです。身体と心の不調が関連しているケースは意外と多く、頭痛、腹痛、腰痛、めまいなどがよくある症状です。身体の不調だと思っていたら、なかなか原因がはっきりせず、メンタルヘルス不調からきていた……はよくある話です。

 

サンフレッチェ広島で活躍したサッカー選手、森﨑和幸さんと森﨑浩司さんの話が有名です。彼らは身体の不調やパフォーマンス低下に苦しむ時期がありましたが、それがメンタルヘルス由来のものであると気づく前に、まず目が見えにくくなったと訴えていたそうです。

メンタルヘルス不調の「兆候」を見逃さない

身体に現れるメンタルヘルス不調の兆候、人それぞれのサインがあります。普段のその人とは違う様子は心・身体の両方で大事なサインです。

私自身の不調話です。実は、30歳のころから痛風と付き合って生きています(ビールの飲み過ぎでの発症ではなく、かかりやすい体質ゆえの発症でした)。ストレスがたまり随分と疲れてるなと感じると左の親指の付け根あたりがソワソワしてきます。このころになると肩こり・腰痛も生じてきて、睡眠の質も下がっています。

 

この時点だと少し疲れた……という感じなのですが、不調の前兆として身体がサインを出してくれていると思い、早めに寝て、大好きな日本茶を淹れて積極的にリラックスするようにしています。

このように「ストレスがたまると〇〇になりやすい傾向がある」という、普段の自分(その人)を知っていれば、セルフケアもしやすくなります。

行動の変化が起きる場合もあります。大人の場合には、お酒、たばこ、ギャンブル、ゲームに興じる時間が長くなり、量が増える。お金の使い方や人付き合いの変化という例がイメージしやすいかもしれません。

子どもの場合はゲームをしたりスマホを観たりする時間が増えたり、交友関係が変わったりというケースが考えられます。

これらのわかりやすい不健全な対処行動以外にも、一見健全のように見える運動・筋トレをする頻度や量が増える/過剰といった変化も何かしらのサインかもしれません。

アスリートであれば、トレーニングをしすぎるということが顕著な事例で、不安から、もっとやらなければ試合に出られないと思ってしまうことが背景にあるようです。

 

部活動であれば、朝も夜も長い時間、過剰な自主練をしている子は要注意かもしれません。この例は、スポーツ以外の場面でも受験勉強や仕事にも当てはまります。普段なら、適当なところで終えられるのに細かいところが気になって続けてしまうなどです。

 

こういった「いつものその人ではない」という違いがわかるためには、普段の自分、普段の友達、保護者・教師やコーチなら普段の子どもたちの行動をよく観察して、知っておくことが大切です。

 

その意味では、「ルーティーン」はメンタルヘルスケアとして有用です。学校では、朝に校門の前であいさつ運動をしていたり、毎朝のホームルームなどで出席をとります。経験豊富な先生は、朝の返事一つで子どもの変化に気づくという話を聞きます。

いつも同じタイミングで同じことをするというルーティーンの中で、観察の意識を加えると「いつものその人ではない」という変化、不調のサインに気がつくことができるかもしれません。

「保健室の先生」は子どもの不調に気づきやすい

私の実感として、学校の先生の中では、養護教諭、いわゆる保健室の先生が、子どもたちの不調に気づくことに長けている方が多いように思います。身体の不調で保健室を訪れた子のメンタルヘルス不調やその前兆に気がつく。

身体の不調を切符に、心について安心して相談できる、ケアを施してくれる存在として保健室の先生が学校にいらっしゃることは、子どもたちにとって、とても大きなことだと思っています。

 

スポーツ現場でも同じような存在がいます。マッサージ等を行うアスレティックトレーナーです。シーズン前の合宿の終盤、代表選考合宿の終盤になると、レギュラー選手になるかどうかのボーダーラインにいる選手たちがよくマッサージを受けに現れるそうです。

こういった子どもを取り巻く、いろいろな立場の人との連携は欠かせません。子どもがサインを発したり、不調を訴えたりしやすい立場の人と言えば、例えば、出場の選考にそこまで大きく関わらない副顧問などの先生、マネージャー、場合によってはOB・OGが考えられます。