・
・
・
パーティーの全員が、ここはどこだと思った。
それは一瞬だった。
まず深手を問うことはないだろう4階で戦闘を繰り返し、経験を積んでいた一行は、戦利品として得た宝箱の罠を外しているツヤヒメの
「あ、ヤバ」
の一言の後に瞬いた閃光とともに、見知らぬ場所に飛ばされていた。
テレポートの罠にかかってしまったのだ。
コシヒカリが位置を特定する魔法をかける。
4階にいることは間違いないし、生きているということは、壁の中ではないようだ。
しかし、もう帰ろうとした先ほどの戦闘で、ユメピリカの全体攻撃魔法はほぼ尽きていた。
前衛のメンバーの体力も、右も左もわからない場所での戦闘に耐えられるかというと、疑問だけが残る。
マッピングもしていないこの状況で、無事に帰ることはできるのだろうか。
考えても仕方ない。
コシヒカリはメンバーの魔法や回復アイテムの残を確認し始めた。
・
・
・
愛知に帰っている間、レベル上げだけやってました。
マーフィーズゴーストでのレベル上げから卒業し、4階の警報部屋で経験値かせぎです。
ここはモンスターが100%の確率で宝箱落とすので、中身は大したものはないですが、売れば金策も同時にできるいい場所です。
過去の失敗を活かし、魔術師の全体攻撃呪文を1つ残して余裕の引き上げをするようにしていました。
が、最後の1回で、ゲットした宝箱のテレポーターの罠にかかり大苦戦。
ぜんぜんわからないところにワープさせられた上に、魔術師の呪文の残弾ほぼゼロ(笑)。
こりゃ再び全滅かと覚悟を決めたんですが、僧侶の魔法をたっぷり残してあったため、何とか切り抜けられました。
街の入口に帰ってきた時はホッとしましたよ。
余裕のレベル上げから一転するこのスリル感。
切り抜けられれば気持ちいいもんです(笑)。