長くなります。
娘は2歳の時に保育園に入園しました。
卒園する時に副園長先生から下記のように言われました。
「沢山のお子さんを見てきましたが○○ちゃん(娘)は大人に気づかれにくいタイプです。
困っていても大人に助けを求めないし誰かに意地悪されてもやり返すこともしない。
周りの子にも優しくてニコニコして過ごしているので一見何も問題無いように見えるけれど実際はそうじゃなかったりする。
普通のお子さんより精神的に大人な部分があるのでこの先辛いことがあるかもしれません。
お母さん、しっかり見ていてあげてくださいね。」
家ではお調子者で甘えん坊で感情豊かな子というイメージしかなかった娘が、
保育園という社会に出た時にそれまで知らなかった一面を見せて少し驚いたことを覚えています。
登園した途端に毎回サッと緊張した表情になるのに泣いたり私にすがりつくことは最初から最後まで一度もありませんでした。
お散歩中に先生が気づかないところで転んでズボンで隠れた膝小僧が血だらけになっていても、お友達からしつこく意地悪されていても、園内の事故で救急外来にかかるほど身体を痛めても、先生の前では決して泣かないし助けを求めない。
自宅に連れ帰って気づいたら大変なことになっていることが何度かありました。
周りのお友達に対しては
遊び場でオモチャを持っていない子がいたら渡しにいく、ひどく泣いている子がいたら理由はわからなくてもティッシュを持ってそっと抱き締めにいく、意地悪されるとショックな顔のまま静かにフリーズする、そういった姿を1歳半の頃から見てきました。
小学校に入ってからも変わらず、困っている子がいたら一目散に助けにいく、列に並んでいる時はお友達に先に譲る。かなり意地悪されていても先生にはもちろん、私がなんとなく気づいてしつこく聞くまでは言ってこない。
時々心配になりました。
それでも運良く信頼できる先生に出会えたり陽気な男子に囲まれて少しずつ本来のお調子者の性格も小学校では出せるようになっていました。
しかし、中学校に入学して同性のみの環境になってからまた学校という集団社会の中で周りに気を遣い、本来の自分を仕舞いこむようになりました。
環境にもよりますが中学生の女子はまだまだ幼い部分があり、同性だけでいると「ワタシって嘘つけないから何でも言っちゃうんだよね」な勘違い星人になる強者が出てきます。
その中で過ごすにはある程度の図太さや鈍感さや世渡り上手な部分があったり、逆に親しい友人がいなくともマイワールドを持つ強さのようなものがないと厳しい場面があると感じます。
大人社会に出ると例え男女ともにいる職場でもそうであったりしますが。
自宅では涙を流していても学校ではそんな様子は決して見せない。
お友達の前でも先生の前でも。
私にも理由は話さない。
一見何の問題もなく学校生活を過ごしているように見える。
昨年度初めて娘の様子がおかしくなってから私の前だけでは時々涙を流すようになりましたが、それでも理由を尋ねると下を向いて口を固く閉ざすことがほとんどで娘の本当の気持ちにはなかなか気づけませんでした。
先日、学校での様子を見る機会があったのですが
今朝行きたくないと涙を溢して登校していったのと同一人物?
と思うくらい普通に楽しく過ごしているように見えたので帰り道で
「楽しそうにしていたね」と伝えたら
「フェイクだから」
「全然楽しくないから」
と。
学校で過ごしている時とは全く違う固い表情でそう言った娘の顔を見て最近思い出した副園長先生の言葉が反芻されました。
そして昨年ブレーキがかかり学校に話し合いに向かった道中で、今まで見たことが無いどこか遠くを見て何かを考え込んでいるような娘の表情を思い出しました。
一緒に乗った帰りのバスで
「降りるバス停🚏の2つ前のバス停で間違えて降車ボタン押しちゃったことがあって。(運転手さんに申し訳なくて)そこで降りて歩いたことあるんだ、エヘヘ」
と言う娘。
腰が痛くなるくらい重いリュック背負ってるんだからそのまま乗っていればいいのに…運転手さんだって怒らないよ。
でも、あなたはそういう人だよね。
だから学校ではフェイクで過ごしすぎて理由の説明できない涙が出るようになったんだよね。
三つ子の魂百までだね。
と心の中で思いました。
もうちょっと外でもありのままの自分を出していいんだよ。
少しくらい図々しくてもいいんだよ。
そう伝えてみました。
それぞれ生まれ持った性格があって、それを変えることはなかなか難しいと思います。
だから、これからも娘は悩むことや傷つくことが多いかもしれません。
でも、必ず味方はいるから。
諦めないでほしい。
そして、これからは少しずつ困った時は声を出して誰かに助けを求められるようになるんだよ。
助けを求めてもどうにもならないこともあるけれど、でも声をあげずにただ我慢し続けるだけでは何も変わらないし、エスパーじゃないから周りだってわからない。
いつまでも母が守り続けていくことは出来ないから少しずつ逞しくなっていくんだよ。
記憶退化が著しいアラフィフ主婦、忘れてしまうかもしれないので備忘録として長々書きました
冬休みに入ります。
どの子にとっても心解れる休暇となりますように