年末に行こうかどうしようかと迷い、結局行かずに新年を迎えてしまった床屋であるが、年が明けてもぐずぐずしている中に前回からおよそ二カ月も経ってしまった。若い頃なら、とても見苦しくて、行かずにはいられないところだが、幸いと言うべきか髪の毛がすくなくなってきたので、少しぐらい間が空いても大丈夫なのだ。もっとも未だに禿げてはいないけれど。

 二カ月ぶりに床屋へ行ったが、床屋へ行った後のさっぱりした気分はすきだ。だが床屋の椅子に約一時間半しばりつけられているのは余り好きではない。ボクが行く床屋はデパートの中にある。値段は高いが、実に丁寧だ。その分時間がかかる。ボクとしては頭さえ綺麗にしてくれればいいので、極端に言えば髭も剃っていらない。肌が弱いので剃刀負けするから、さっと剃るだけでいいと頼んであるのに、理容師さんはきっちり仕事をしないと気が済まないらしく、すべすべになるまで剃る。皮膚がひりひりする。そのせいかどうか分からないが、最近の若い人は床屋へ行かず、美容室へ行くらしい。美容室なら顔を剃られる心配はない。美容師の資格では刃物を持つことが出来ないのだ。そういう訳で、ボクもそろそろ美容室に変えようかと思っている。事実床屋の数は減りつつあるのだ。