(本日(2024年2月12日)映画公開より1ヶ月ということで、ネタバレを含む感想をこの場へ投稿します。↓↓)
---------------- キリトリ ----------
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現在2024年1月14日、時刻は22時を回っております。
(感想を打ち始めた日時)
原作
ある閉ざされた雪の山荘で (1992)
東野圭吾
映画
ある閉ざされた雪の山荘で(2024)
飯塚健
現時点(1月14日)までで原作を2回読み、
映画を1回観ました。
どちらのファンでもあります。
それを踏まえて、両サイドの視点を交えつつ、映画の個人的な感想を纏めておこうと思います。
以下、ネタバレを含みます
原作も映画もまだの方はもちろん、
映画だけまだの方も、原作だけまだの方も
ネタバレされたくない方は見ないでください
では僭越ながら。
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冒頭
バスで山荘近くまでやってくるシーン
これ、ここにもう答えあったね。笑笑
遊び心だなと思ったけど。
自分で見つけたい方は次のちっちゃい文字
読まないでね。
どこにあるかというと↓
バスの側面に広告を出してる会社の名前
「ホンダ電気」だったかな?
とりあえず「ホンダ」って書いてありました
原作で結末がわかっていたので、
速攻それが目について
『知らないと思って遊んでるでしょー!』
となりました笑笑
そういうの、嫌いじゃない
原作では久我も一緒に山荘まで来るんだけど、映画は別行動でしたね。
先に山荘に来ていた久我が、後からやってきた水滸の団員達を前に1人ずつ名前確かめるシーンは映画オリジナルで、
そのために作られた劇団水滸のフライヤー(パンフレットか)…
まじで良すぎでしょ~~~
欲しいよ〜〜売ってよ〜〜〜
原作当時より時代も進んでいるので映画は現代にあった形でリメイクされてました!
まず原作では監視カメラは無くて。
映画だけ観てそれだけ聞くと(原作どうやって描いてんの?)ってなると思うけど、
原作のトリックがまたアナログでありつつも見事な仕掛けなのよなー。。。
あと天井や壁に映される電子の文字と音声とかももちろんなくて、あそこまではっきりとした指令はないんだよね。
そもそも映画化ってどんな作品であれ、原作の内容を端折らなきゃならないから、細かい設定とか説明文みたいなものって省かれちゃうじゃないですか?
だから今回も映画だけ観た人には少しってなる部分とか、せっかく良いシーンなのに深いところまで伝わりきらない感想が出てくるだろうなっていうのはあって。
逆に原作も読んで映画を観た人が抱く多少の設定変更やズレみたいなものは、比べてしまえば比べてしまう程気になるだけのものなので、原作に忠実であることを望む人にとっては物申したい派の人が出てくるだろうなというのもよくある話で。
漫画であれ小説であれ、実写化においては
原作を大切にした上で映像化されること、
原作と映像化作品が互いに高め合える関係であることを
心から願います
(2月2日追記)
個人的には、原作の内容をベースとして、映画作品としてのそれら(オリジナルな部分)を正として受け入れて観たことによって、とても良い作品だったと思ってます
えーっと何から話そう。。。
キャラクターについてかな。
そもそも映画化発表されてから原作を読んだので、基本的には全てのキャラクターに映画のキャストを当てはめて読みました。
それもあってか、配役も素晴らしかったという感想です
でー、1つ言いたいのは、
映画のパンフレットにある相関図に違和感。
これは原作と変えているのかな?
映画を観た限りでは原作と同じ矢印の向きに気持ちがあるように見えたから、終わった後パンフレットの相関図見て原作と少し違ってるのが謎すぎて。印刷ミスかとさえ思ったよ??
パンフレットの矢印が正だと思って観ればまた違って見えたかな?
でも私は原作の方に気持ちを合わせて観たのでそのテイで感想述べますね。
◎久我和幸/重岡大毅
原作の中でも思考【独白】が見えるところが多々あるので、読者も久我の視点や推理で物語に乗っていくことが多かった中、
映画で見せる重岡くんの演技、部外者であることの立場と、だからこそ1つ外の枠から全体を見る視点が上手く描かれていたし演じられていたと思う。
何より最後、久我が舞台袖で流した涙に私の思考が全てかっさらわれて、劇場で更に泣いたなー(その前から泣いてた人←)
間宮くんが言う重岡くんの演技の"瑞々しさ”を初めて目の当たりにして、納得しました。
巻き込まれた物語の中で、劇団水滸への憧れの気持ちを失うことなく、最後は自身もその水滸の一員として舞台に立てたこと、自分の推理によって水滸の未来を閉ざさずに済んだこと、その置かれた状況に対して抱く久我の感情が、心地いいほどしっくり伝わってきて、良い役者さんなんだなぁと思ったなー。
◎中西貴子/中条あやみ
原作ではもっと空気読めない天真爛漫感が強かったイメージだけど、映画でのあやみちゃんの演技はそれで良くて。あと原作では貴子は少し久我に気持ちを向けてるから(ちょっとの好意レベルだけど)、その感じも映画で出てると思って、その塩梅が絶妙で『わぁー、原作で見た通りの貴子だ!!』と勝手に嬉しかったのに、パンフレットの相関図では貴子→久我の矢印は無く、久我→貴子になってて、あれれ?と。久我→由梨江な筈じゃない…?
まぁともかく原作よりシリアスに受け取れる演技だったから、映画の緊迫感をより盛り上げてた気がするなぁ
◎田所義雄/岡山天音
正直ちょっとびっくりした。やっぱすごいぞこの役者…ってなった。田所の怪演が申し分ないのは言わずもがな、特に終盤謎が解けていくと同時に解(ほど)けていく田所自身の表情の変化から本当に目が離せなかった
言葉を発さない田所を見ながら、『うわー、めちゃくちゃ感情が変化してってる…』ていうのを劇場ですごく感じて。
天音くん自身もチャーミングで好きだけど、役に入った時の化け方に脱帽で、これからも注目していきたい役者さんだなぁって思った
◎元村由梨江/西野七瀬
想像よりキャラ感にあってた!原作のキャラ設定を知ってるから、ちょっとどうかなと思ってた部分も正直あったけど、スクリーンの中にちゃんと由梨江がいて、安心した。これだけ少ない登場人物の中でも1番静かでマイルドなところが絶妙に出てたと思うし、いい意味で、立ち位置に合う存在感?というか、まさかあなたもそっち側だったの?って出し抜かれて
◎笠原温子/堀田真由
先に到着していた久我をみて「もう嫌いだわ〜」から始まる温子が既に原作より強くて私は好きでしたその後の口調とか言動も超気が強くて。
でもその強さが、登場人物が固定されてるからこその変わり映えの無さに、アクセントキャラクターとなって活きてた気がする!!!そして演技も良いよね。もともとの温子の性格とはいえ、山荘でのあの勝ち気な言動も芝居だったと思うと…
間宮くん関連でいくと殺カレ死カノのきゃぴ子ちゃんの時も良かったなぁて思い出して、演技力で中の人とのギャップを楽しませてくれる俳優さんだなぁと改めて。
◎雨宮恭介/戸塚純貴
純貴くんといえば二枚目な役より三枚目な役のイメージが強かったけど、原作に沿うなら今回の役はモテ男なんですよね。由梨江とはお互い⇆だけど、実はあの麻倉雅美も雨宮に気が向いてて。劇団のリーダーっていう立ち位置もそうだし。
でもなんかこう、純貴くんの良さが混じって、個人的にはちょっと原作より親しみを持ちたくなるような雨宮だったなと由梨江とは近々婚約予定みたいな関係で確か原作では描かれているんだけど、映画でも由梨江を気にかける雨宮の姿が時折描かれていて、それが妙に鼻につく感じがよかったなー!ただの劇団仲間以上の関係を感じさせる演技が。
「由梨江!!」って1人部屋に戻る由梨江を追いかけて階段登ってくシーンとか。印象に残ってるなー。
あとあと、久我とラジオ体操からの大雪の中茶番劇はもう純貴くんの見せ場だったよね?
◎麻倉雅美/森川葵
・・・異質感原作でも映画でも鍵となる役。しばらく登場しないけど実はずっと居て。一連の出来事を経て纏う空気が凄かったね。原作では少し容姿が劣る感じの描かれ方(どう考えてもヒロインには抜擢されないみたいな)してたから、葵ちゃんだとそんなことないじゃん?でもそこは映画として悲劇のヒロインにピッタリハマる空気を作ってくれてたので圧倒的天才女優で良かったです。
ただ、事故で描かれた出来事は原作では自殺未遂で。温子がついた嘘ももっとリアリティがあって。そこがちょっと気持ちの動きを起こす描写として弱かったから、映画しか観てない人にこの雅美に起こった出来事のことの重大さ伝わるかなー?と思ったりはした。雅美の気持ちみんなに伝われ!って勝手に思ってた
少なからず心をかき乱された黒幕ヒロインでした
◎本多雄一/間宮祥太朗
はい。本多さん。原作でもさすが、分厚い存在感みたいなの感じてたけど、間宮祥太朗に憑依した本多雄一はやっぱり間違いなかったですね
ふざけてる様な、楽しんでる様な、「どうせ東郷先生の思惑だろ」っていうずっしりとした構えがもう嘘だったっていう衝撃ね。その裏に隠された雅美への愛が深くて切なくて。トリックを知った上で映画を観ると、所々で雅美を想う気持ちが表情にちゃんと出てて胸に刺さるのよなー。片想いだってわかっていながら雅美のために何でもする決意、凄くない??本多雄一の愛情って(映画では原作ほど色濃く描かれてなかったけど)凄いのよ。だからトリックが明かされた時、この男が1人で抱えていた異常な程に純粋な愛も明らかになって、観ているこっちもこのキャラクターへの愛情が大爆発するんですよね。原作を読み終えて心から『本多雄一が間宮くんでよかった』って思いました。この作品の中で一番愛したいキャラクターだし、(ファンだからと言われれば返す言葉はないけども←)もはや主人公なのでは?と思ってました。だから全てのストーリーを知った上では、映画のティザービジュアルとか、キャストの名前の中で重岡くんと対称の位置で名前が大きかったのも納得したよね。この重大な役どころに、ナイスキャスティングで天晴れでした
まだの方は是非原作も読んで欲しいな、、、
、、、はい。
1人1人熱く語りすぎた、、、
まぁでもこの8人の物語だから。
8種類の1からそれぞれ感じたもの
それが全てだもんな。
あとはシーン毎に話したいことを。
え、、、長いて???
毎度のことながらすみません
冒頭山荘の前で招待状を見せ合うところのカット割りというか、分割画面?はタネを知っている組の4人と知らない3人で分かれてましたね😏✨
予告動画とかでも見れるけど!
本多さん、、、喫煙されるんですね
ありがとうございます
タバコは苦手なのですが、
推しの喫煙姿は堪らんのですよね
ええ、わかりますわかります。(自己完結すな)
本多が山荘に持ち込んだ、水滸の過去の集合写真、完全にショータローいるね。
(アタックZEROのCMシリーズより、ヘアバンドの申し子ショータローの登場です)(違います)
(何言ってるかわからない方、心配ご無用スルーしてください)
雪山設定茶番劇も良いよねー
あと赤い紐で縛り合う久我本多の睡眠プレイ
(言い方←)
一応性別的には女の子なので本多さんの紐と結ばれし者に立候補していいですか?
(票数0で落選です)
シリアスで緊迫している世界感の中で
所々に遊び心が散りばめられていて
私はそれらの演出に愛を感じて好きでした
えと、真面目な感想もね。
(いたって真面目にやってんですけどね)
1人また1人と仲間が消えていく事実、
信じたく無い憶測とすがりたい設定、
その間で揺れてる個々の関係と
共犯者とそうで無い者との絶妙な心理が、
仕掛けを分かった上で観ると
とても面白く映し出されていて。
映画を何度もリピートして楽しんでいる方々
が羨ましいです
私は映画館へは1回足を運ぶのがやっとの可能性が高いのもあって、その1回で取りこぼさないために原作を読み込んでから映画に挑んだので、初見からその仕掛けありきの視点で感想を持ったけど、何も知らずに観たときの感想も自分自身に問うてみたかったなと思います。
どうにかこうにかまた観れたらいいなとは思ってるんですけどね。。。
〜追記〜
なんと!!!なんやかんやで閉ざ雪2回目を観に行けていましました!!!
しかしこちらの本文は初見の感想がほぼです!
2回目観た後の追記だけ青文字でいきます!
ラストスパート、久我が推理を巡らせてトリックを解き明かすシーン。
山荘を後にしようとする本多を呼び止め
他の3人(久我.貴子.田所)のアリバイを
明かし、本多に問うこの一連の演技
遊戯室に移ってから
殺された筈の3人と雅美の登場
これまでの出来事、経緯の回想
ラストスパートとして相応しい
盛り上がりとどんでん返しに
分かっていた筈の結果でも
心を震わせられました。
何より劇団員たちの「芝居」に。。。
と、原作ではこのあたりで物語に終止符が打たれるけれど、、、
ここからが!!!
映画独自のフィナーレで。
驚かされ、泣かされました…
まさかまた雅美が水滸の団員として舞台に立っているなんて。
それもこの「事件」を取り巻く面々と。
捉え方によっては、
映画の最初から最後までがもしかして舞台上で演じられていた芝居だったのか???
とさえ思わせるような最後のトリックもどき。
きっと「起こってしまった事実」を久我の脚本で舞台化し、実際のキャストが本人を演じている。ということで良いんだと思うけど。
この締めくくり、
大変胸を打たれました。。。
遊戯室から舞台上にシーンが切り替わった時、舞い散る紙吹雪に誘われるように涙が溢れて止まりませんでした。
そしてその後、一度演者が袖に履けて久我が涙するシーン。。。
↑久我についてのところでも言ったけど
重岡くん、良い演技するなぁ、、、と。
俯瞰していたつもりが一気に久我に感情移入してしまい、更に涙が。。。
2回目はウルッくらいで観れました。笑
と同時に、本多のちょっと居心地の悪そうな、それでいて嬉しそう佇まい。
一連の事件を起こした張本人が、トリックを暴かれて後に(望んだ通り誰1人欠けることなく)仲間と共に芝居を踏めている喜びを含んだ何とも言えない感情が滲み出てて良かったなぁと。
原作に沿って言うなら、
本多の雅美への気持ちは一方通行で、
その想いがバレて実らないことへの
小っ恥ずかしさみたいなのもある気もしたし?
これね、2回目はそんなでもないか…?
深読みしすぎか?
となりました。笑
でも初見でそう思った心の動きは
あえて残しておきますね↑
間宮祥太朗演じる本多雄一が表現したる情景が圧巻で、やっぱり愛したいキャラクターだなと想えてならないのでありました。
申し分ない原作のストーリー仕掛け
素晴らしいキャスティングと監督の手腕
物語の展開がわかっていても尚、
隅々まで見入ってしまう魅力的な作品、
だな、と思っています
2024年
この作品と共に推し活をスタートでき、
更にこれから待っている推し事への
ワクワクを「閉ざす」ことなく、
いろんな感情に出会えることを楽しみに
心して受け取っていきたいと思います
ある閉ざされた雪の山荘で、
8人の男女が巡らせた想いを大事に受け止めて、またその未来が明るく動き出すことを願って
あ、変な家も楽しみですっ
予告流れてワクワクしちゃった
ちょっと怖さのドキドキもあるけど