1969年。

マイルス・デイビスは、ジャズでは禁じ手ともいえる、電子楽器を大胆に使い、ロックとファンクの要素をジャズに採り入れた、新しい音楽をクリエイトした。


マイルスが「エレクトロニック・マイルス」に踏み出したことは、後になって、フュージョンなどの音楽を生んだ。


ただ、そのいわゆる「エレクトロニック・マイルス」への大転換には未だに賛否がある。


こんなのジャズではないと。


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いや。僕にとっては全く違う。


この「エレクトロニック・マイルス」こそが、とても好きである。


「エレクトロニック・マイルス」の本格的な時代は1970年の初頭から1975年のたった数年間である。


ただ、僕にとっては、この時代のマイルスは、燦然と輝く独自の個性を放ち、かつ、人生について考えさせられるような感覚にもなる、数々の名作をクリエイトしてくれた。


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普遍性を帯びたそのサウンドは未だに新鮮な輝きを放つ。


ところで、音楽プロデューサービル・ラズウェルが、「エレクトロニック・マイルス」へのリスペクトから、マイルスの音源をそのままに、ほとんど加工せずに、独自にリミックスしたアルバムがある。


これが素晴らしいのだ。。。

各楽器の音の美しさ、ダイナミズムが見事に引き出されている。


「エレクトロニック・マイルス」の素晴らしさを、生き返らせている作品なのだ。(マニアックすぎて売れなかったのか絶版になってしまっている苦笑)


YouTube には出ていたので紹介します。


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マイルスの音楽は、洗練された抑制が効いている。

時代によって音楽形態も、演奏するメンバーも違うのだが、なぜかやはり「マイルス」サウンドなのだ。


そして「エレクトロニック・マイルス」の表現は、現代のヒップホップのグルーブ、アンビエントミュージックにも見られる。


約50年前の音楽とは思えない。


時代を超えた新鮮さと、人生について考えさせられる、ある意味で「実存主義」的なところがある。


そうした音空間の中で、マイルスのトランペットは様々な音色、エフェクトを効果的に使い、ある時には確信に満ち、ある時には幽玄に。。。

変幻自在な表現をしている。


当時のマイルスバンドの演奏者は面食らっただろうが、彼らの魅力を引き出しているのもマイルスなのだ。

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この曲がある意味、

エレクトロニック・マイルスのスタート。

ジョーザビヌルとの共作。


In a silent way


こんなぶっ飛んでる音楽やっている人、今もいないでしょう。今に通じるグルーブ感。



このグルーブ感、独特。




いやーーー。

これを聴くと人生とは何かと、感じる。

1974年に亡くなったデュークエリントンへの鎮魂歌だそうです。