今更。紅白を振り返ります。


2023紅白、とても面白かったです。


まず、橋本環奈さん、浜辺美波さんの堂々とした姿に驚かされました。

特に橋本環奈さんは、驚くべき才能の持ち主だと感心してしまいました。


あと伊藤蘭さん。素晴らしかった。。



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ところで、某ネットニュースなどで、視聴率が下がったとか、過去最低だったなどの記事を目にしました。

僕はNHKを擁護する立場ではないですが、前にも記事にしましたが、テレビ視聴の全体の減少の影響が大きいと思います。


テレビの衰退のトレンドと、今回の紅白の視聴低下とを切り分けて分析する必要があります。


そう思っていたら、この記事を見つけました。

これ、ほんとに凄い分析です。



既に我々は録画、ネット配信、タイムシフト視聴で楽しむのが普通になっています。

そうした現状を踏まえ、NHKが、地上波だけでなく、NHKプラス、YouTube 、Twitterなどのネットメディアを活用した戦略を展開し、多くの視聴を集めた状況が分析されています。


放送終了後、2週間がたっても、YouTube での視聴回数は、なんと約6200万回を超えて伸び続けているそうです。テレビで紅白の生放送を見た人は約5200万人だそうなので、それを越える視聴を得ていることになります。


あと、寺尾聰さん、伊藤蘭さんのことを、多くの人が、Wikipedia で調べたという事実もあったようで興味深いです。


あるテレビ番組の評価を、テレビ視聴率単一でのメディア接触時間で測定する考え方自体が、すでに時代錯誤になっているように思います。


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さて、今回の紅白のハイライト。


なんと言っても、YOASOBI「アイドル」でしょう。


アイドルの光と闇を歌う歌。


誰かに愛されたことも 

誰かのことを愛したこともない

そんな私の嘘がいつか本当になること

信じてる


虚構とも思える歩みの中で、真実を求め、懸命に突き進むアイドルの姿。

目まぐるしく変わるアレンジのなかで、ボーカロイドのように正確なのに、そうした孤独、悲哀を抱えつつ突き進むアイドルを表現する楽曲と、癒しを感じさせる、優しいIkuraさんの歌声。

やはり、世界を惹きつける力のある名作だと思います。

それにあわせ、すごいメンバーが共演していました。。

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全員は紹介しませんが、何人か。


韓国勢では、まずミサモ。

(日本人なので、日本勢と言いたいところですが)

中学卒業後、韓国語も分からず、先が見えないなかで韓国アイドルとなることを目指し、今や世界的な地位を確立したTWICEの日本人メンバーのミナ、サナ、モモ。

彼女らは、まさに世界で活躍する日本人アイドルの先駆者です。

野球で言えば、野茂のような存在でしょう。

国民栄誉賞をあげてほしいです。


そして、今回は、TWICE と同様に、世界的な人気を誇る韓国若手スーパーエリートアイドルたちも登場しました。


SEVENTEEN 、Stray Kids、NewJeans、Le Sserafim。


NewJeansは、夜遅い時間なので、15歳のヘインさん、17歳のヘリンさんは出れませんでしたね。。


Le Sserafimのサクラさんは、日本のHKT48出身で、韓国でアイドルの道を目指し韓国に渡り、今の地位を確立した苦労人。

ここで、Le Sserafimではユンジンさんのことも触れたいと思います。

韓国生まれ、アメリカ育ちのユンジンさん。

高校時代ミュージカルをやっていて、アイドルを目指したものの上手くいかず。

ビジネスを学ぶため猛勉強して、アメリカの大学に合格。高額な入学金を払った直後に、Le Sserafimの加入の話がきて、入学金を捨てて、アイドルになったという苦労人だそうです。

赤ちゃんのようなウンチェさんも17歳だから出てませんでした。


そして日本勢。


まずNiziU。

厳しいオーデションを勝ち抜き、韓国プロデューサーに育てられた日本人アイドルグループ。

NiziUがエラいのは、日本で人気を得つつ、韓国語のトレーニングも積み、厳しい韓国マーケットでデビューしたこと。

韓国でも評価され人気を集めています。


乃木坂、櫻坂は、日本におけるエリートアイドルと言えるかな。


今回はジャニーズ勢がいませんでした。


ですが、BE:FIRST、JO1が、その不在を感じさせない、いや、それ以上のパフォーマンスで頑張っていたように思います。

皆さんはどう思いますか。


そして橋本環奈さんとあのちゃん。

橋本環奈さんは、地方アイドル出身。

あのちゃんは、地下アイドル出身。

アイドルとしては、必ずしもエリート街道ではない二人。


このように、それぞれきっと様々な思いをかかえ、苦労を重ねてきた人達が、「虚構とも思える歩みの中で、真実を求め、懸命に突き進むアイドルの姿」を表現する楽曲で、それぞれが、それぞれの個性を出しつつ、踊るという・・・


味わい深い共演でした。

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日韓関係が改善したことも背景だと思いますが、それ以上に大きいのは、日韓のアーティストたちが、それぞれの個性を発揮し、切磋琢磨しているからでしょう。


(もちろん、テレビが、特定の事務所のタレントに偏ることなく、様々なアーティストのパフォーマンスを自由に楽しめるオープンな競争環境に、ほんのちょい、近づいている影響もあると思います。)


彼らの魅力が国境を超える力をもっているからだと思います。


まさに、音楽は国境を越える、だと思いました。


ブラックビスケッツ、伊藤蘭は、「音楽は世代を越える」象徴かな。



NHK紅白チームの、「ボーダーレス」というコンセプトに基づく、綿密な企画力、準備は、さすがだと思います。