僕の車にまつわる物語を何回かに分けていくつか紹介しますね。
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時は1980年代後半。
浪人生だった僕が駅に行くと、初恋の相手Yさんに5年ぶりくらいに、ばったり会った。
この初恋のYさんとの話は、少し語らなければならない・・・
Yさんは僕にとっては小学生時代から遠くから眺めるだけの憧れの存在だった。
すらっとしていて、美しく、眩しかった。
地元の公立中学校に進んだのちも、彼女は僕にとってはアイドルのような存在で、ずっと遠くから見て「綺麗だな・・可愛いな・・」と思い、そのことを周りにも話をしてしまったので、かなり冷やかされたりした。。
しかし中学2年生の頃、事態が一変した。
同じクラスの女子二人が僕のところに駆け込んできた。
「M君。ちょっと来て!!Yさんが話したいって!!」と。え???Yさんが!?
彼女らに校舎の裏側に連れて行かれると、そこにYさんがいた。
「ちゃんと二人で話してね」と、同じクラスの女子二人が去ってしまい、ドキドキしながら立ちすくんでると、Yさんが恥ずかしそうに僕に言った。
「そういうことだから」と。(もう約40年前ですが、未だにすごく覚えています)
どうやら、Yさんも僕を好いてくれていたのだった。。。。
しかし、どうしよう。。。憧れの相手だから話すことも出来ない。。。
何を話せばいいのだろう。何をすればいいのだろう。。
情けない僕は、結局、長い片想いの末にやっと両思いになれたのに、その後も話しかけることさえもできず・・・お付き合いまでには発展させられず。。。。(一回、一緒に帰っただけ・・・・)
中2の終わりに、「理由はあなたが一番わかっているはず」という趣旨の手紙をもらい、フラれたのでした。
なので、Yさんにばったり会っても、実はあまり話をしたことがない間柄だったのだったが、あちらが僕のことを気がついてくれて(もしかしたら、フったことの負い目も会って?)「M君お久しぶり。元気?今、何をしているの?」と話しかけてくれたのだった。
彼女は、お化粧もちゃんとしていて、相変わらず、すらっとしていて美しく眩しく映った。
僕は少々バツが悪い思いをもって「浪人生なんだ。これから代々木に行くところ。Yさんは?」と答えた。
すると彼女は、「私は社会人になった。M君、浪人生なんだ。頑張ってね。」と言ったのち、唐突に思いもよらぬことを言い出した。
「M君、車持っている? 」と。。え? 車?
「持っていないし、免許も取ってないよ」と答えると、
「私ドライブに連れてってもらうのが好きなんだ。やっぱり車がないとね。車があれば色々な場所いけるじゃん。M君も大学生になったら車、買うといいよ」とのこと。。
僕は、「お年頃」の女性にとって、「車」が重要な存在であることを、この時思い知ったのだった。
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後日談です。