BS1の特集「ベイリーとゆいちゃんが教えてくれたこと」を視聴した。

セラピー犬の活躍を紹介した番組である。


犬好きの方は再放送、オンデマンドなどで是非視聴してみてください。

素晴らしいです。涙腺崩壊ポイント満載。。。



ホームページその1

「ベイリーとゆいちゃんが教えてくれたこと」


ホームページその2

「ベイリーとゆいちゃんが教えてくれたこと」


いやーー。


重い手術後の少女が痛みで、ぐったりしている時、ベットに添い寝したベイリー(セラピー犬)の行動に泣ける。


森田さん(ベイリーの飼い主)がそろそろ行こうとベイリーを促すが、ベイリーは動こうとしない。いつもは森田さんの指示に忠実なベイリーだが、引っ張っても従わないのである。そうしているうちに、ゆいちゃん(少女)が眠りにつくと、安心したベイリーがようやくベッドから離れた。」


飼い主いわく

今までの経験値から、自分がそこに求められているというのが分かっての行動なのでは」と。


すごいぞ、ベイリー。


─────────────────


犬の不思議な力

犬の持つ人間の心を癒やす力が医療の現場でセラピー犬という役割で生かされているという。

この番組は、そうしたセラピー犬の活躍の紹介と、犬の持つ不思議な力を解明する特集であった。


ホームページにある言葉に共感する。

『うちのワンちゃんは、私の気持ちを分かってくれている』

『犬と一緒にいると、つらい気持ちが吹き飛ぶ』


犬を飼っておられる方、過去に飼われていた方、そう感じられた方、おられますよねーー。


僕は、ほんとにそうだなーーと思う。

正確には「そうだった」なーーと思う。


例えば特集で紹介されていたイギリスのセラピー犬。患者の精神状態を微妙に察知し、患者ごとに態度を変えていた。

やんちゃな少年とは一緒に遊び、手術前でナーバスな少年には驚かさないようにちょっと距離をとってじっとする。不思議な力を発揮していた。


ただその犬が凄い訳ではないのかなと思った。

どんな犬も、信頼関係が作れていれば、同じような行動を飼い主にしてくれるのではと思った。


そういえば、昔、実家で飼っていた愛犬Aも同じように我々の気持ちを察してくれていたなーと感じていたからである。



Aとの切ない思い出


その番組を視聴して、実家で飼っていた犬、Aのことをどうしても思い出してしまった。

(僕の中高生時代を知る人は、Aの本名を言うだけで僕が誰か分かってしまうので、Aとしておく。)


Aは雑種で14年生きた。


僕と妹が多感な青春時代、我々の心の支えになってくれた。

兄妹喧嘩、親子喧嘩、色々な問題発生時にも、家族の中心にAがいた。


Aは優しくて細やかな性格の犬だった。

我々の表情や仕草を微妙に読み取り、その時々の状況に合わせて、我々に寄り添ってくれた。

かけがえのない存在だった。


いやー。。思い出すと泣けてくるなー。

 


Aとの出会い

僕が小学校を卒業した3月。2つ歳下の妹が「犬を飼いたい」と騒ぎ始めた。

僕にも同調求め、父と母に何回も「犬を飼いたい」と主張した。


母は自分が幼い頃に犬を飼っていたこともあり、まんざらでもなさそうだった。


「散歩。大変よ。ほんとにいいの?」と我々に覚悟を求め、「散歩する!」と言うと、しぶしぶ賛成してくれた。


そして、ここから母は驚きの行動をみせる。

母は今でもそうだが、物事の決断と行動スピードが早い。今でも驚かされていること多々なのだが、この時もそうだった。


我々兄妹が「やったー。飼っていいって!」と喜び、さてどんな犬がいいかなーーと、図鑑を見ながら、「コリーがいいかなーー」とか「いや、シェットランドシープドッグがいいかなーー」とか言っていると、、、、


母「〇〇さんの知り合いの〇〇さんのうちで、犬が何匹も産まれたそうよ。一匹くれるそうだから行きましょう!」と突然言い出した。


母には血統書付きの犬を購入するという発想はなかったようで、彼女の持つネットワークで、たちどころに赤ちゃんを産んだ犬がいる家を探し出し、そこから雑種の子犬を一匹、譲り受けることを既に合意してきたのだった。


コリーや、シェットランドシープドッグを飼う我々兄妹の夢はたちどころに粉砕され、我々は母に連れられ、子犬たちのいる〇〇さんの家に向かった。意外に近所だった。


─────────────────


すると雑種の赤ちゃんが何匹もいた。


「可愛いーーーー。」


妹は、一番小さくて、白い犬を抱きかかえた。


すると母。


小声で僕に「〇〇(妹のこと)は、白い犬を気に入っているみたいだけど、あの茶色の子犬を見て。とても元気よ。あの犬がいいわ。絶対に長生きする。あの犬にしなさい。」と言った。   


妹に伝えると、妹は「えー?私はこの白い犬がいいーー」と泣いたが、母は「〇〇ちゃん(妹)、元気なワンちゃんの方が遊ぶのも楽しいわよーー」とかなんとか言って妹を説得した。


妹はしぶしぶ了解し、その元気な茶色の犬が我々の家族となった。


僕と妹は相談の上、僕が提案したAをその子犬の名前にすることにした。実は妹には当時言わなかったが、僕が大事にしていたぬいぐるみの名前をとったのだった。

(身バレしてしまうので、Aとしました。)


そしてAは僕らの家族の一員になり、その後14年間、一緒の時間を過ごしたのだった。

(後年、白い子犬はすぐに亡くなったと聞く)  


─────────────────


Aとの思い出は書ききれないほどだ。


とにかく僕はAが亡くなった時、もう犬は飼わないと心に決めた。


他の犬を飼ったらAに申し訳ないかなーという思いと、大事な愛犬が死んでしまったこの悲しみを二度と味わいたくないなーという思いからだった。



犬の性格と個性


ところで妹が最近、トイプードルを飼い始めた。とても小さくて可愛いーーー。


Aとは大きさも、性格も、全く別だなーと感じられる。


時々会うのだが、一緒にいると癒される。。

母はメロメロになっているーー。


Aとの切ない思い出を吹き飛ばすほどに、可愛い、愛すべき存在なのだ。


それにAAであり、妹の愛犬BBなのだ。

それぞれの生命、人格(犬格)は違う。

そう感じた。



一緒に過ごした貴重な時間は人生の宝物

たしかに愛犬の死は大きな悲しみを生む。


でもAの存在は、僕の人格形成において重要な構成要素になっているはずである。

一言では言い難いが、生命の大切さや、大切な存在を慈しむ心の大切さを教えてくれた気がする。

Aはとにかく無条件に飼い主である我々を愛してくれた。常に無償の愛をくれた。

彼と一緒に過ごした貴重な時間は僕にとっては一生の宝物である。。。それだけは言えるーー。


だから仮に息子や妻が犬を飼いたいと言い出しても、ちょっとは前向きに検討する自信が持てるようになった気がする。