奴の事。
僕が恨んでる元彼女は、はっきり言って頭のいかれた女だった。
最初、彼女の事は多分好きにはならないだろうと思っていた。
けれど、異常にしつこかったのだ。
初めて会った日から、毎日のように遠い僕の家までやってきて、玄関のドアをドンドン叩く。
大声で、「おーい」と叫びながら・・・。
僕の両親は共働きで夜遅くまで帰ってこないから良かったものの、常識外れたことをする奴だった。
最初は本当に焦ったし、付いていけないやと思っていたが、付き合ううちに奴のペースに巻き込まれて、
多分、普通の人が傍らから見るとおかしい行動を、僕たちはしていたのかもしれない。
家に来ると、いつも僕の部屋に入り、露出狂のあいつは、目の前でスカートをめくらしたりしてきた。
僕をむりやり興奮させようと、必死に頑張っていた。
世の中には面白い女がいるもんだなぁと、内心しらけていたのに・・
僕は彼女と付き合う事になった。
なんで、あの時、やめておかなかったのかと思う。
もう、本当に疲れた。あいつのせいで。
自業自得だといわれても仕方ないけど、僕はあいつのせいで、人生を狂わされたのだ。
異常なテンションで振り回されたせいで。
僕は、最低な人間で、奴への恨みを晴らすために、今の彼女を使おうとしている。