12月1日

枯れ色をした桜の枝に

キジバトの姿があった

あの日以来初めて二羽揃って

おかえりなさい




ちょうど

家族の出発の日

柔らかな日差しの中

しばらく桜を見ていた









遠い日

挫けることばかりだった日々

沈んでも沈んでも

何故か鼓動は止まず




生まれて来た意味も

生きなくてはいけない意味も

見失い続け




それでもまた

次の朝目醒める




あの日々の続きの今日

あの日と同じからだと

少しは大人になったこころ




なにかを手に入れるのは難しく

なにかを放すのはさらに難しい




誰かを赦すとき

救われるのは

赦されたほうではなく

赦したほうなのだと

こんなに

かかってしまった




紆余も曲折も

きっと全ては必要だった

もうそれでいい







春は短く

秋には緑もすて

からっぽにみえても

巡る季節にまた

新しく生まれる




桜は

命のやり方を

もうずっと

教えていたね








新しい冬がはじまる











ami