こんにちは。自治体法務研修講師の奥田泰章です。今日も行政不服審査のお話が続きます。


審査手続にはどのような人物が登場するのでしょうか。


ひと言でいうと、審査庁・審査請求人・処分庁です。場合によっては、そこに審理員と行政不服審査会が追加されます。


審査手続(要件審理・本案審理・裁決)の主体は審査庁です。審査庁となるのは、知事・市町村長や教育委員会などの執行機関です。


ただし、知事・市町村長が審査庁となる場合、本案審理を主宰するのは審理員とされています。自治体の長は執行機関のうち唯一の単独庁であるため、本案審理の公正を担保する観点から導入された制度です。


審理員は審査庁の事務部局の職員のうちから審査庁によって指名されます。そうすると、たとえば処分庁が審査庁となる場合(この場合が多い)、部下が上司の行動を審査することになります。公正が担保できるでしょうか。


そこで、審理員が本案審理を主宰した場合、審査庁が棄却裁決を行うには、あらかじめ行政不服審査会への諮問とその答申が必要とされています。二重の担保というわけです。


審査請求をした審査請求人と、行政処分をした処分庁は、紛争の当事者として審査手続に加わります。



☆日本経営協会関西本部の行政管理講座「わかりやすい行政不服審査の実務」は、令和4年10月19日-20日開催予定。自治体における審査請求の受付から裁決まで全ての手続をパワーポイントのチャートで解説。判例を素材にした二つの事例に沿って弁明書や裁決書など具体的な書面の書き方も解説。自治体の研修にオンラインでご利用ください。

http://www.noma-front.com/NOMA_PDF/kansai/60018004.pdf