法人等で、Webサイトを作成する際に、自社でサーバを借りて(立てて)コンテンツを作成・メンテナンスしていくケースは多々あるかと思います。専門の部署があるケースもあれば外注するケースもあるし、よくわからないまま担当している人も多いかとは思います。このよくわからないまま担当している人向け?ではないですが、Web関連支援することが多い経験から、1つでも指針になればと思っての内容になります。
■ 静的コンテンツ、動的コンテンツ とは?
PHPやPython、Ruby、業務ならJavaやC#等、サーバで動作するプログラムでWebサイトを生成して表示しているWebページを、「動的コンテンツ」と呼びます。
対象的に、動きのない(またはJavascriptで画面内の簡単な変更)Webページ、概ね拡張子が .html となっているファイルで構成されるサイト部分を「静的コンテンツ」と呼びます。
参考:https://wa3.i-3-i.info/diff560web.html
■ どういったサイトが静的コンテンツに向いているのか?
参考サイトをみていただいて想像がつくと思いますが、更新頻度の少ないサイトです。
年に数回程度しかページの作成や更新がないサイトであれば、静的コンテンツでも良いでしょう。
逆に毎月何か更新がある、日々更新があるといったサイトには、向いていません。
■ 動的コンテンツはどう作るのか?
CMS(Contents Management System:コンテンツ・マネジメント・システム)を利用します。プログラムで作り込む(凝った機能や限定した機能の場合は作り込んだほうが良いです)ことで実装されるケースが主流でしたが、今はCMSツールを利用することが多いかと思います。代表的なものとしては、Wordpress(WP)やMoovableType(MT)等が該当します。これらは元々ブログ系サイトを作ることに長けており、ブログを元にしたサイト構成をすると利用し易いかと思います。プラグインの利用等もできるので、プログラマ無しでも動的サイトが作れるので、広告会社等からWebサイトを作る提案があると、概ねこのパターンになるケースが多いです。WPはPHPで作られていて拡張・改修も可能ですが、利用者が多くセキュリティ上頻繁に更新されるので、更新に対応できる保守運用体制が必須です(残念ながら作った以降はサポートしていないところが多いのが現実です)。MTは動的コンテンツとしても利用できますが、静的コンテンツとしてエクスポートしてサーバに配置することも可能です。作り込みなので動きのある部分はJavascript等を組み込むことになりますが、正直動きのある部分が多いサイトであればMTでの静的コンテンツ出力による実装はオススメしません。またページ数が多いサイトにも正直オススメしません。またMTは作り込むよりはクラウドサービスを利用するほうが良いでしょう。MTは歴史のあるツールでもあり、利用場面に注意すれば非常に有効なツールです(逆も然り)。開発・保守の要員がいて、サイトの更新内容が限定されている場合は、CMSツールではなくプログラムで作り込むことは有効です。特に社内の他のシステムとの連携等がある場合は、こちらの方法を採用するほうが一般的でしょう。
■ あなたのサイトは大丈夫?以下に当てはまる場合は動的コンテンツ(CMS)への変更を検討ください。
- サイトの更新頻度が多い(記事原稿作成ではなくHTML作業に工数を割いている)
- サイト(一部)の更新をHTML等に詳しくない部署の要員にも任せたい
- 検索機能や絞込、計算シミュレーション、ゲーム等、ユーザ操作によって変わる動きのあるページを作りたい
■ 過去のSEO
既に大量の静的コンテンツで公開されているサイトを動的コンテンツに変更する場合に懸念されるのが、現在のURLに対するSEOの実績です。一般的に動的コンテンツへ変更するとページのURLは変わります。SEOは累積効果もあるので気になるところかと思います。
○ 方法1:htmlでプログラムを使えるようにする
汎用的なCMSツールでは実現できませんが、独自に作られているシステムであればサーバ設定で静的コンテンツと同じURL/拡張子でもプログラムが動くようにすることは可能です。
○ 方法2:301リダイレクトを設定する
301リダイレクトで新ページへリダイレクトするようにすると、Google等の検索エンジンはSEO累積情報を保持したまま新ページでと情報を変更してくれます。
○ 方法3:諦める
新ページでSEO積み上げ直すことも1つの方法です。
■ システムの専門家に相談しましょう
サイト作成・改修の検討ポイントの1つとして掲載させていただきました。
Webサイト作成だと広告代理店から話が行く事が多いでしょうか?1社だけではなく、実際にWebシステムを作り込んでいる専門家にも意見を聞いてみましょう。企業のWebサイトは1つのシステムです。何のためにWebサイトを作るのか目的を明確にしておくのは企業側の範囲ですが、どういった実装をすることが最適かはWebのシステム専門家の方が良いです。デザイン的な構成やマーケティングは広告代理店などの方が強いケースも多いのでどちらかではなく、いろいろな人に意見を聞くのが良いと思います。