この10年弱、インコに生活をあわせてきました。


エアコンは24時間つけっぱなし、マニキュアも香水もアロマも柔軟剤もやめました。放鳥をせがまれないようケージに入れたあとはなるべく静かに生活していました。各ドアは極力閉めていました。羽毛布団はカバーがシャカシャカいうので真冬も夏用のキルトケットで寝ていました(これで寒くなるとインコも寒いということなので目安にもなりました)。テフロン加工のフライパンや鍋、炊飯器は捨てて鉄製に替えました。アイロンもやめました。月に一回の通院と毎日の投薬もありました。基本的に私の前でしかエサを食べないので、体調を崩さないようなるべく残業しないよう、時には休憩無しで仕事をし、買い物も手早く済ませ、スポーツクラブに行く日は夫に早く帰ってきてもらい、暇さえあればペットカメラを確認したり、他にも書ききれないほど生活をインコにあわせてきました。

もうそれらはしなくてもいいのですね。


幸か不幸か先月は夫婦でコロナになったので、その間はお昼から放鳥したりたっぷり遊んであげることもできました。


私は前にペットロスになったことがあるので、飼う前から来たるべきお別れの時を考えていました。

3歳ぐらいの頃から換羽のたびによく吐き体重も5gくらい変動する子でした。飼い主は部屋を温めることしかできず苦しそうに吐く姿を見ているしかありませんでした。

一度ボーリングのおもちゃに挟まれているのを会社からペットカメラで確認して、慌てて早退してタクシー使って高速で帰宅したこともありました。インコ部屋の扉を開けたらおもちゃから抜け出しました。ただ遊んでいただけ?


そんなこともあり、目を白黒させながら激しく吐き続けるわけでなく、飼い主不在時や通勤前の時間の余裕がない時でもなく、不慮の事故でもなく、長年闘病生活を送るでもなく飼い主の手のひらでお別れもちゃんと言えた、不甲斐ない頼りない飼い主のことを考えてくれたお別れだったと思います。