今から4年前の2013年夏、地元の旧国立系病院で人間ドックを受診しました。

毎年職場の健康診断が実施されますが、簡単な健診ではあまり意味がないと思い、3年に一回は自腹を切って人間ドックを受診するようにしていたのです。

日帰りの人間ドックは概ね順調に進んでいたのですが、肺機能検査で引っ掛かりました。

詳しい数値等は全く覚えていないのですが、最後の医師による説明時に、
『肺機能に異常が認められます』
と言われました。

医師の机の上に置かれたカルテに肺機能検査結果を印字したレシートのような紙が貼り付けられていて、その紙の一番下に「肺年齢80歳」と書いてあるのが見えていました。

『やだなぁ、この先生、前の人のカルテ出しっぱなしじゃん』
なんて、のんきに思っていたのですが、医師の指摘は『肺機能の異常』
それでやっと『えっ!あのカルテって俺の?』という焦りの気持ちが出てきました。

医師『過去に喘息とか結核とか、肺の病気を患ったことはありますか?』
自分『ありません』
医師『煙草は禁煙してから10年以上経過してますね』
自分『そのとおりです』
医師『肺機能検査の数値が低すぎます。肺のレントゲン写真でも上下端に影が出ています』『何か肺の病気に関することで思いあたることはありませんか?』
医師にそう質問されて「あっ!」と思いました。
自分『母が4年前に間質性肺炎で亡くなっています。十数年前には母の姉も間質性肺炎で亡くなっています』
医師『念のため今からCT撮影しましょう』
その時の医師の(あっそれだ!)という表情、今でも忘れられません。

医師とのやりとりのとおり「母」と「伯母(母の姉)」を間質性肺炎で亡くしています。
どうやら「祖母(母の母)」も死因は違う病気なのだけれども亡くなる時には間質性肺炎を患っていたらしい。

なんてことだろう。
身内に三人も間質性肺炎の患者がいたというのに、自分には全く関係のないことだと思っていた。
「母の家系は呼吸器系統が弱い」くらいにしか考えていなかった。
「間質性肺炎を発症しやすい遺伝」があって、自分がまさにそのひとりだなんて思ったこともなかった。

CT撮影の結果はやっぱり「間質性肺炎の疑いあり」

『同じ系列の病院に、間質性肺炎に詳しい医師がいるので紹介します。そこで精密検査を受けて下さい』

くしくも紹介されたその病院は、母が間質性肺炎の治療で数年間世話になり、そして亡くなった病院でした。