(新章の始まり、以前のシリーズも後日再開予定)
暑い。今日は特に暑い。ここは北アメリカ大陸の南部地域。
人の姿が耐えて久しい。わたしはアザゼラ、「荒野の悪魔」と呼ばれる。
本人は頼みもしないのに、より完全な「人間」に近い体を授かった。
有機体ではないが、機械で可能な限り、人間の生理機能を模写された実験体。
おかげで温暖化した今の地球はわたしには暑すぎるし、
今は腹がすいた。
半永久機関なる、ご都合主義なエンジンも開発されていたのに、
私にはこんな面倒な、食物からエネルギーを得る機関が与えられた。
それでいてわたしは死ぬことはない。まるで永遠の責め苦に会っているみたいだが。
長く仲間とも会っていない。仲間と言うのは同じタイプのロボット、
つまり人型アンドロイドだ。
異形の戦闘ロボットならいくらでも見かけた。
「人の中に混じり、人を護れ」
確かそんな言いつけを受けた覚えはある。
でもほどなくして、不思議な事に、一夜にして回りに人はいなくなっていた。
人類滅亡?まさか、でもこの荒野を歩き回りかれこれ40年、誰一人人のような者と出会う事がなかった。
さてまた次の町跡で、缶詰でも頂こうか。
「クリンクリンクリン」
何だ、誰かの声が聞こえる。
まさか人間の生き残り、いやまて、まだ人類は滅んだと決まった訳じゃ・・・
(アザゼラバージョン、一人称版、開始しまし)