8回目 直列負荷の端子電圧の検証

1図で交流電源100vに 負荷R=17、3(Ω)
XL=10(Ω)を接続した。インピーダンスZ、力率、
回路電流I、端子電圧のIR、IX、IZ及び有効電流、
無効電流、皮相電力、有効電力、無効電力を求めよの
問題です。

簡単に考えますヨ!!!

2図に負荷のベクトルを描いてあります。これは
R=17、3 と XL=10 から三平方の定理Zの
は20(Ω)になります。この三角形は1、2、√3
の割合ですので角度は30度、60度、90度になります。
力率は 17.3/20=0.865(86.5%)遅れ となります。
(遅れ、進みの力率については別の機会に・・・)
電流Iの値は E=IZ より 変形して
I=E/Z  100/20=5(A) になります。

老いぼれ親父の電気工学

3図で、、、ベクトルを描きます
電圧Eの100(v)を基準に最初に描きます。Zの
20(Ω)は2図をそのままに移動します。ZとEの
角度は30度となります。電流Iの5(A)はEの下側
30度(Zと反対側30度:ー30度)に描きます。
  ーーー{ここは重要なポイントです}ーーー
Rの端子電圧は 5(A)*17.3(Ω)=86.5(V)
ベクトルIRは 電流と同相(平行)になります。
     {ここは重要なポイントです
XLの端子電圧は 5(A)*10(Ω)=50(V)
ベクトル IX は電流Iより90度進みます
(電流IはXLの端子電圧より90度遅れます)
  ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー   
電圧 IZは回路を見てのとうり、IRとIXの和と理解できる
と思います。
従って IZ=IR+IX ですので、ベクトルのIRとIXを
加えます。IZ=86.5+50=136.5(V) にしたら誤り
になります。絶対値での加算ではありません。ベクトル
での加算になります。
ベクトル IRとIXで平行四辺形を作成すると100(V)
となり、電源電圧100(V)に等しくなります。端子
電圧IZそのものが電源電圧100(V)と言うことです。
   ・・・以上緑で描いた所です。 
回路を見ながら 3図を再度検証して下さい。
ーーーー
3図にはインピーダンスZも描いてありますが、通常は負荷の
ベクトルは別に描くのが通常かと思います。しかし Zを
一緒に描く事でベクトルの全体のイメージが容易に理解出来る様な
気しますので、あえて一緒に描きました。 

続いて 有効電流、無効電流、皮相電力、有効電力、
無効電力を求めます。3図と4図をみながら・・
(電力のベクトルの 皮相電力、有効電力、無効電力は別途
4図にえがいてあります)

皮相電力=IV ですので
 100(V)*5(A)=500(VA)
有効電流=I*cosΘ ですので(cos30度は力率になります)
 5(A)*cos30度=4.3(A)です。
  電流Iの5(A)のベクトルを、電圧Eの100(V)と同相に
  したらどれくらいの値になるかと言う考え方でOKです。
有効電力=IVcosΘ ですので 
 5(A)*100(V)*cos30度=433(W)
  ※ 有効電力は有効電流に電圧を乗じたものでもあります。
無効電力=IVsinΘ ですので  
 5(A)*100(V)*sin30度=250(var)
無効電流=I*sinΘ ですので
 5(A)*sin30度=2.5(A) になります。

ーーこれで一応解答は全てですが・・・ あと少し・・

電流Iのベクトルから 複素数で I=4.3ーJ2.5=5(A)
なりますが、、なんの事はありません、4.3と2.5
がそれぞれ 有効電流と無効電流になるのが理解できる
と思います。
同様に電力ベクトル(4図)から 皮相電力は 
433ーJ250=500(W)になりますので、これも
また 433が有効電力、250が無効電力になります。

 端的に言えば 複素数の直交座標表示をすれば、上記は
簡単に解ると言うことです。

つづく