5回目 複素数ー1
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前回(4回目)に下記の回路の講釈をしましたが、今回は
回路を検証してみます
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次の条件(1、2、3)で
 
1、電源AC100vに R=17.3Ωと誘導リアクタンスXL=10Ωを直列
  に接続した
2、電源AC100vに Z=20<30度(Ω)の負荷を接続した
3、電源AC100vに Z=17、3+J10(Ω)の負荷を接続した
  上記1、2、3の回路で 下記の値を求めヨ

老いぼれ親父の電気工学


インピーダンスZ、回路電流I 、端子電圧IRとIX の値を求めよ。
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負荷Zについてのベクトルは2図に描いてありますので、ここから
Z=20<30度(Ω)と Z=17、3+J10(Ω)になるのは
大方ご理解できるものと思います。

電流IはE=IZ から求められますが、又3図のベクトルからその
関係もご理解できるものと考えます。今回は3図のベクトルIを
複素数の極座標で計算してみます。  E=IZ から
100<0度=I*20<30度 となります。式を変形して
I=(100<0度)/(20<30度) 
I=(100/20)<(0-30)度となります。
I=5<ー30度(A)が解答になります。3図のIのベクトルと
比較してみて下さい。またIを直交座標表示にすれば
I=5<ー30度(A)から
I=(5*cosー30度)+J(5*Sinー30度 )
I=4、3ーJ2、5=5(A) となります。
 3図のベクトルと比較してみて下さい。バッチリでしょう!!!

ーーーーーーここからがポイントですーーー  
極座標表示の複素数の除算(割り算)では
 絶対値を除して(割って)角度を減算とします。
   次は(乗算) 結論から言えば
極座標表示の複素数の乗算(掛け算)では
 絶対値を乗じて(掛け算)角度を加算とします。
ーーーーーーここまでがポイントですーーー
では
 この複素数の乗算(掛け算)を検証してみましょう
   E=IZ から 
 E=(5<ー30度)*(20<30度)
 E=(5*20)<(ー30+30)度
 E=100<0度=100(V) となります。
Eを直交座標表示にすれば E=100+J0=100(v)です。
  3図のベクトルと比較してみて下さい。バッチリでしょう!!!
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   この回路の負荷のZは 
A 1、2、√3の比率の直角三角形を構成しますので、対角?は
  30度 と60度となります(暗記しているものと思いますが)
B 別の 1、1、√2の比率の直角三角形の対角?は45度
 (暗記しているものと思いますが)

極座標表示での乗算、除算は角度が明確にできないと、計算
ができません。そもそも極座標の表示ができませんので
お手上げです。ですので直交座標表示にして計算する事になり
ますが別な機会に紹介したいと思います。

今回は複素数の極座標での乗算、除算で計算をしましたが、
簡単でしょう? あくまでも ベクトルを描く事を最優先にする
べきと考えます。
図にすれば全体のイメージも理解しやすいと考えます。


次回はこの回路をより深く検証してみます。  おわり