1回目:交流回路・ベクトル

交流回路の R(抵抗) のみの回路なら直流回路の法則 E=IR 
の理論が適用できますが、 RとXL、Xc の回路になり
ますと、とたんに直流回路の法則が適用できなくなりま
す。そこで
交流回路においても直流回路のようにと ベクトル を利用
して電気回路の計算をします。交流回路では R、XL(コイル)
、XC(コンデンサ)が電流を制限します。R,XL,XC を 
インピーダンスZ に置き換えます。

  ・・インピーダンス(Z)って・・・・・

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老いぼれ親父の電気工学


では まずは4図 で交流100Vの電源に R=4Ω 
と XL=3Ω の負荷を直列にして接続し電流Iを求めます。  
 100=I*(4+3) で I=14.3 A です。誤りです。
そもそも R=4Ω と XL=3Ω を単純に加えています。
単位は同じオームですが、RとXLはそもそも 世界が異なります。
「身長 4m と タマゴ3個は 重さ7kg です。」
ありえないでしょ。そこで 5図に注目です(4図の回路ですヨ)

Rの4Ωは横(右に行く)の成分、XLの3Ωは縦(上に行く
成分)と考えます。(約束です)ーーー>緑の矢印ですヨ!!

4図の回路ですヨ!! 5図の「緑」の線を観ながら ・・・
右に 4(R=4)、上に3(XL=3) そこから平行四辺形
(長方形)を作図し、対角線を 3平方の定理から 5を
求めます。この5が インピーダンス Z=5Ωとなります。

これは R=4 と XL=3 のベクトルの合計(和)がZ=5Ωと
言う事です。平行四辺形を作図してからZ=5を求める方法と
6図の三角形を作図して求める方法がありますが、今後の
事を考えれば3角形を作図して求め方もマスターする事をお
勧めします。今後はこの6図の三角形を作図して求める方法
で説明する事が多くなると思いますので。

回路電流Iは??
E=I*R  を  E=I*Z として交流回路に適用します。
Z=5Ωですので
100=I*5   I=20A です。正解です。
「おのおの R=4 と XL=3 は電流を制限しますが、
トータルでは Z=5 と理解し電流を制限します」
Z インピーダンス は平面上の量で方向と値もったものと考え
ます。ベクトルの考え方です。
ーーーーーーーーじゃあ 1図の回路でーーー
R=3Ωは Zに置き換えると Z=R で Z=3Ωになります。
なんら変わらないんだ!!! 
でも Z=3 はベクトル量で「方向と値もったもの」でベクトル量
と考えます。(青い線です:上、下にはないですよネ)
直流回路にはない考えかたです。
E=I*Z  から求めます  I=33Aです。
ーーー2図の回路でーーー
XL=1Ωは 1図と同じ考えかたで Z=1Ωです これも 
ベクトル量で「方向と値もったもの」と考えます。(青い線で
す:横はないですよネ)ほら 上に1目盛いっているでしょう。
E=I*Z から  I=100A です。
ーー3図の回路でーーー
3図の回路でも同じで Z=2Ω(青い線です:横はないですよネ)
・・下に2 だわ!! E=I*Z から I=50A です。
====
インピーダンスZ の一成分がR、XL、XCであると言うことです。
ですから R、XL、XCはZにもなりうると言うことです。
(Zそのものです)
===
ところで 5図のインピーダンスのベクトルで
Rの横(右に行く)の成分、 の反対の「横(左に行く)成分」
はないのですか? ・・ ないのです。

横の右、上、下の3個成分だけですヨ!!
ーーーーーーポイントですーーーー
Rが横 右 : XLが 上 : XC が下  この3個
で作図します    >>> 覚えましょう(簡単でしょ!!)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「方向と値もったもの」ベクトル量 は 値の外、方向が大事と
いう事でしょうか? そのとうりです。
もう一度 4図の回路で5図で検証してみて下さい。
交流回路ではこのベクトルを意識しながら問題を解いていきます。
又 後ほどになりますが 電流、電圧、電力 も同じく
ベクトル量として考えます。

ーーーおまけになりますが、、、ーーー

4図の回路で、5図を見ながら確認下さい

    Z=4+J3=5Ω  >> 直交座標表示
又は  Z=5<37度   >> 極座標表示

上の数式がなんとなく理解できますか??
    (なんとなくイメージできればいいのですが)
 この先 再度説明しますので・・・

 ベクトルを数式で表現したものです
これを複素数表示と言います。
 上を 直交座標表示、下を 極座標表示といいます。

次回また