企業の美術館は何度か訪れていますが、特定の企業の博物館には今まで訪問したことがなかった中で、先月、大阪に訪問した際に立ち寄った門真市の「パナソニックミュージアム」が、見ごたえがあったので、その時のことを書いています。

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パナソニックミュージアムというと、東京の汐留にある美術館を思い浮かべるが、

大阪府門真市にあるパナソニックミュージアムは、美術館とは異なり、企業博物館の類となる。

 

創業者・松下幸之助の経営観、人生観に触れられる「松下幸之助歴史館」と、

パナソニックのものづくりのDNAを探る「ものづくりイズム館」、

ソメイヨシノ190本を配した公園「さくら広場」で構成されている。

 

まず、「松下幸之助歴史館」の展示室の入口に入ると、大きな松の木がお出迎え。

松下の姓は、松の大樹の下に家を構えていたことに由来するそうだ。

これは入口反対側から撮影した画像。

 

明るいエントランスから一転、展示室内は照明が暗くなり、スポットライト型プロジェクター「スペースプレーヤー」が展示室内を映像やライティングで演出している。

 

照明がうす暗い事も相まって、展示内容がクローズアップされ、没入できる。

 

展示室内では、松下幸之助の歩んだ94年の道を追体験し、幸之助の言葉に触れながら、

その幾多の苦難を乗り越える過程で見出した、経営観・人生観に触れることができる。

 

和歌山県のとある村の代々続く旧家に生まれ何不自由ない暮らしだったにも関わらず、4歳の時、父親が米の先物取引で失敗し家は没落。

それが元で尋常小学校を中退し、9歳で大阪に丁稚奉公に出る事に。

 

その後、大阪電燈(現・関西電力)に見習工として入社。

わずか3カ月で工事担当者に昇格。

22歳で退職し独立。

 

「松下式ソケット」の実用新案を登録し販売するも、全く売れない苦境の時期が続く。

それを乗り越え、23才で松下電気器具製作所を立ち上げた。

(妻と妻の弟 計3人の家族経営)

この時、幸之助23歳、妻22歳、妻の弟 井植歳男

(後の三洋電機創業者)はまだ15歳の少年だった。

皆若いのに素晴らしい。

 

幸之助は成功した理由について

次の3つを挙げていたそう。

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「学歴がなかった」「体が弱かった」「家が貧しかった」。

幸之助は弱みを強みに変えて事業に取り組んだ。

「貧しいから必死になって働くことができた。

学歴がないから、商売の中で出会うすべての人、すべての出来事から学ぼうという気持ちになった。

体が弱かったから、無理しないで人に任せた。

その結果、人を育てることができた。」

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創業時の、高い志に満ちた作業場を原寸大で再現。

2階建て借家の1階部分を作業場としており、1階部分ほぼ全体を再現している。

 

展示室内の各所には、松下幸之助の言葉が

それぞれ掲げられ、言葉カードとして短冊に印刷されており、各自、記念に持ち帰ることができる。

その言葉カード全30枚分がぴったり収納できるフォルダがショップで販売されている。


 

 

「ものづくりイズム館」では、パナソニック創業100年来の貴重な家電製品約550点を一堂に展示している。
見たこともない古い家電から、現代お馴染みの製品まで。

 

幼少時からの懐かしいものから順に見ていくと、

薄型とは程遠いブラウン管テレビや、ビデオデッキ、家庭用電話機兼FAX、

大きなガラケーなどがあり感慨深い。

 

 

 

 

 

年表の代わりになる「ヒストリーウォール」という大スクリーン。

幅16m×高さ2.2mの大スクリーンに5台のプロジェクターを使って8K映像を投影しているそう。

複数の映像コンテンツが順番に放映されている。

一番秀逸だと思ったのは、創業100年来の商品が時代背景の流れに沿って目の前に向かって流れてくる映像。

大スクリーンならではの迫力がある。

 

[ウルトラソニックバス(人間洗濯機)]
1970年の大阪万博、サンヨー館で展示された通称、人間洗濯機の貴重な実物。

座っているだけで概ね入浴が完了するなら面倒がない。

こんなに場所をとる形状でなければ、今でも十分需要がありそうだ。

 

日経新聞のWEB記事で見たところ、

人が頭を出した状態で直径2メートルほどのカプセルに入ると、前後のノズルから温水シャワーが出て、超音波で発生させた気泡で体を洗うスタイルらしい。

最後に温風を吹き付け乾燥までを全自動で行う装置だ。

展示後の販売価格は約800万円。

当時の価格として超高額だが、数台販売されたそうだ。

ネットで稼働時の動画を見たところ、なかなか快適そう。洗髪機能があれば完璧だっただろう。

 

 

施設の見学は無料。

館内は撮影可能で、多くの人が写真を撮っていた。

 

帰宅してから公式サイトをチェックしていて気が付いたが、公式サイトの施設案内ページに、2つの館内の展示内容が詳細に紹介されている。

松下幸之助の30の言葉が印象深かったので、言葉カードを持ち帰るとともに、展示パネルもせっせと撮影していたが、サイトに30の言葉が全文載っていた。

 

展示内容の紹介動画まで、たくさん載っており、遠方の方はわざわざ訪問しなくても、サイトを見るだけで十分に楽しめるように配慮されているようだ。

https://holdings.panasonic/jp/corporate/about/history/panasonic-museum/facility.html