1883年に、約40名の朝鮮人学生が慶應義塾に入学した。それが、近代日本が受け入れた最初の留学生らしい。また、日清戦争後は、日本から学ぶために、1万人の中国人留学生が来日した。そして、戦時中は、政府が、南方占領地からの留学生受け入れを行った。
戦後は、1954年に「国費外国人留学制度」を設け、1983年に、私費を含む「留学生10万人計画」が開始された。留学制度について、拙著で以下のように書いた。
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「そのとおりだよ。欧米の留学生政策には確固とした戦略がある。将来の国益に結びつけるためにやっている。日本の場合は、そんな発想がない。先進国同士の数合わせで〝10万人計画〟を打ち出したに過ぎない。国費留学生の奨学金にしたって、ただのバラまきだよ」
「欧米の場合は、どうなんですか」
「有名なのは、ローズ留学奨学金制度とフルブライト留学奨学金制度だ。ローズ奨学金は、今世紀の初めに、英国人のセシル・ローズが創設したものだが、この男は大変な帝国主義者だった。ダイヤモンド鉱脈を掘り当てて莫大な財産を築き、アフリカ大陸を支配した。植民地経営は残虐を極めたし、アパルトヘイトの原型を作った男だ。ローデシアの地名は奴の名に因んだもので、その男がアングロサクソン至上主義で創設したのが、ローズ奨学金制度だよ」
「フルブライト奨学金制度も、そうなんですか」
「あの制度は、終戦直後にアメリカのJ・W・フルブライト上院議員が創設したものだが、彼もローズ奨学金の奨学生だった。幸い、ローズほどの人種差別主義者じゃなかったが、敗戦国民をアメリカに連れてきて、親米派にしようという意図は当然あっただろう」
「日本の留学生政策に欠けているものは、何ですか」
「まず、将来の親日派を作るんだという明確な目的がないから、人材の選別ができていないね。国費留学で日本に呼んで、反日派にして帰国させる可能性だって十分あり得るよ。それと、日本語教育の問題だ。日本語は国際語じゃないから、自分の国で勉強した学生なんか殆どいない。大学の授業は日本語だから、致命的だ。最も重要な日本語教育に、政府はカネを出す腹積もりがない」
「どうしてなんでしょう。どうして、そこが分からないんでしょう?」
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