「月」辺見庸原作の小説(2017年発表)。2023年映画化。 個人的評価4.3

 

相模原で実際に起きた知的障害者殺傷事件に着想した映画。

未曾有の残忍な事件をオリジナルの設定で映像化。
 

一人では生きていけない知的障害者に係る関係者の負担(経済的・精神的)は大きい。

それでも苦(負担より得るものが多い)ではない人を除いた場合、負担超過で呪縛を背負っている人、

その呪縛下においても均衡を保っている人はいる。

では、均衡を保てなく摩耗してゆく人を救済する方法はあるのだろうか?

因みに、障害を持つ胎児の中絶は選択可能である(96%中絶を選ぶ)。

 

悩ましい問題は、分離・隔離して見えないように隠しておくのが日本の伝統文化である。

マイノリティの声は他人事。かわいそうね、大変だね・・これにて完結。

 

経済活動では、「意味のないものは排除。生産性のないお荷物は排除。」する事は正当化されやすい。

高度の知的障害者施設では、なぜ否定されるのであろうか?偽善?正義とはなに?

 

欺瞞に満ちた社会と、素直な心との折り合いの付けどころ・・

上辺の言葉とは裏腹、本音は自己愛と承認欲求の塊

人生、自分が心地よい「素」でいられる立ち位置探しが大切