様々な人々の思いを乗せて、

宇宙空間に向けて、ロケットが打ち上げられます。

 

多くの英知が注ぎ込まれ、打ち上げの時を迎えますが、

 

ロケットの打ち上げでは、

予期せぬアクシデントに見舞われることがあります。

 

カウントダウンが始まり、減っていく数字、

だが、「ゼロ」となっても打ち上がらずにそのまま壊れたケース

 

発射したと思った瞬間に、爆発するケース

 

場合によっては、

打ち上げてから1日や2日たってから、

ニュースでトラブル発生を知るケース

 

こうした様々な事例を聞くと、

ロケットの打ち上げ成功とは、すべての目的を達成したときだと、ふと思ってしまいます。

 

一般に、ロケットは、発射6秒前に第1主力エンジンに点火されます。

 

ごう音が響き渡ります。

発射台の周囲には水蒸気が立ち上ります。

 

そして、発射です!

 

ロケットがふわっと宙に浮き、一直線に飛び上がって行きます。

 

この時点、打ち上げ成功といえるのでしょうか?

 

この場面では、成功とはいえません。

 

飛び上がったあと、第2エンジンに点火します。

 

その後、ロケットが軌道に乗ったことが確認され

てはじめて打ち上げ成功となるわけです。

 

打ち上げ成功とは、ロケットが軌道に乗った時点です。

 

そこに至る所要時間、30分前後です。

 

発射してから約30分間、

なんのトラブルもなければ、

打ち上げに関しては「成功」となります。

 

では、約30分間が経過し、

打ち上げ成功と喜んだのも束の間、

ロケットにトラブルが発生した場合は、どうなるのでしょうか?

 

打ち上げ成功を訂正して、打ち上げ失敗とするのでしょうか?

 

この場合は、「打ち上げは成功したが、

その後トラブルが発生」と表現されます。

 

関係者にとって、

打ち上げは成功したが、その後トラブルが発生した」というのと、

打ち上げに失敗した、というのでは、

その持つ意味の違いは計り知れないと思います。