みんな元気ですかラブラブ

 

前回の続きだよ・・・グッド!

 

イルカたちは本当に楽しいことが好き。

 

みんなが笑いだすとしばらく止まらなかった。

 

イルカたちは「ききき」と言いながら

 

やまとたちの周りをぐるぐる回っている。

 

それを見て栞は自分も笑いながら

 

ふと昔の事を思い出した。

 

「なぜ今こんなことを思い出すのだろう」と思いながら。

 

それは栞がやまとと出逢う少し前のこと。

 

栞には自分が気に入っていつもつけていた

 

小さなターコイズのピアスがあった。

 

以前栞がアメリカに渡る前に母親から

 

誕生日に贈られたもの。

 

何度かなくしたがその度にピアスは手元に戻って来た。

 

アメリカで日本人の子供たちのために

 

週末スクールを開いていた頃の事。

 

一度は女の友達と海に行って泳いでいてなくしてしまった。

 

しかし3日後に朝目覚めるとそのピアスが

 

自分のベッドの上にちゃんとあった。

 

ある時はシャワーを浴びていて気がついたら

 

その同じピアスが何処かに行ってしまった。

 

すると今度は2日後に同じバスルームの

 

石鹸箱の上にちゃんと置いてあった。

 

もちろん自分ではその記憶がない。

 

「なくしたのはおととい、きのうはここになかったのに」

 

と考えるが分からない。

 

栞はバスルームなどで小さいおじさん達を

 

何度か見かけたことがある。

 

その時も4~5人の小さいおじさんを

 

見かけたような気がした。

 

みんなばらばらの服装をしていた。

 

背の高さは皆20センチくらい。

 

昔「YMCA」と言う曲を歌っていた「ビレッジピープル」みたい。

 

彼らの一人が「ナラタイミエッ!」と言ったのが

 

聞こえたような気がした。

 

すぐには分からなかったが「まだその時じゃないよ」

 

と言ったんだと分かった。

 

多分・・・「Not the time yet!」

 

栞はその時とっさに「ゴブリン?」と言ってみた。

 

なぜその言葉が出て来たのか自分でも分からない。

 

するとそのおじさん達の一人が右手の人差し指を

 

一本立てて「う」とも「あ「」ともつかないような発音で答えた。

 

つまり自分たちはゴブリンではないと言ったのだと思った。

 

栞はその人(?)たちの事を気味が悪いとは思わなかった。

 

逆に少し親しみを感じていた。

 

そのあと2回ほど栞はそのピアスをなくした。

 

しかしその度に必ず出て来る。

 

自分でも謎だった。

 

なぜこんなに何回もその同じピアスをなくすのか。

 

そしてその度にそのピアスが不思議にも必ず出て来るのか。

 

何かのメッセージには違いないけれど。

 

そのあとしばらくして栞は石嶺教授を通して

 

やまとと知り合った。

 

やまとは自分を忘れて子供たちの相手をしてくれた。

 

栞のために週末の子供学校を自分の事のように手伝った。

 

そして栞はそんなやまとと恋に落ちた。

 

栞がその思い出に心を奪われていたのはほんの一瞬。

 

しかしそれは栞の心の中で決して消える事のない

 

キラキラとした想い出。

 

あのピアスの輝きのように。

 

やまとと知り合ってからなくしたピアスは

 

もう戻ってはこなかった

 

まるで役割を終えてさよならをするように。

 

今やまとが自分の傍にいる。

 

いつも離れることなく、まるで自分を守ってくれているように。

 

栞がふと我に返ると

 

みんなが自分を見ている。

 

栞は忘れていた。

 

頭の中で考える事すべてみんなに伝わる事を。

 

栞は思った「うわー、大変!恥ずかしい!」。

 

やまとはそんな栞を見て照れたような顔をして

 

「あはは!」と笑っている。

 

しかし栞は気がついた。

 

なぜそんな昔の事を今思い出したのか。

 

それはあのピアスの色が

 

目の前の遺跡に埋もれていて今はまだ見えない

 

クリスタルの色と全く同じだったからだって事を

 

知っていたから。

 

それは忘れもしない、鮮やかなターコイズブルー。

 

でもまだ栞はそれを見ていない。

 

しかし栞は知っている。

 

光が当たらないのにもかかわらず

 

そのクリスタルが自分でかすかに発光している事も。

 

その栞の思いがみんなにすでに伝わっている。

 

だからもう誰も笑ってはいなかった。

 

続きはまたね・・・グッド!

 

 

イッピーの独り言

(あの夏の思い出ふーハートブレイク・・・って

あれ、悲しい恋でもしたのかい!?