ゼロからつくる小さな村(コミュニティ): 30年前の雑誌より
2017/02/24
引越してきたばかりの頃、近所に住むじいちゃんが「これあげる」と持ってきた30年以上前の雑誌「ウッディライフ」が数冊手元にあります。
ウッディライフは「山と溪谷社」の発行していた、ログハウスビルダーのための雑誌です。
ウッディライフが創刊された1970年代、それまで日本では建築基準法により建築することができなかったログハウスが、その法律の改正により一気に広まった時期でした。
先日改めてその雑誌のページを繰ってみたところ、そのうちの一冊に「若者のコミュニティ」という巻頭特集があって、その現代と変わらない様子(自分たちで作っていくという過程)がかえって新鮮で、つい全部読んでしまいました。
「自然はリサイクルで構成されている」が基本哲学、20代30代の若者が集まり、競売にて格安で広大な山林を購入し、これまた格安で手に入れた重機を投入して山を切り開き、小屋を次々と建設し「村」を作るのです。
・荒れ放題だった人工林のスギやヒノキを切り倒し、それを利用して家を建てる。
・貰ってきた廃材を利用する。
・家具なんかも廃棄物を修理して使う。
・谷川の水を風力で吸い上げるポンプを自作して小さなダムを築き、生活用水を貯水する。
・ニワトリを飼育し鶏糞を採取して自然農法を試す。
そして果樹をいく種類も植樹したり、音楽スタジオを作ったり、ゲストハウスを作ったりもします。
リサイクル村の主な収入源は各地での廃品回収業で、かなりの収入があったそうです。
現在どこかにこんな若者たちのコミュニティが存在してもおかしくない気がします。
(今はコミュニティよりも個がメインなのかもしれませんが。)
ところで、このリサイクル村「若葉の里」のリーダーとして「五井野正」さんという方が紹介されていたんですが、村のほかにも、当時問題になっていた投げ捨てられた空き缶を集めるイベントを開催したり、本を出版したりと、活動的でユニークな人だったみたいです。
「若葉の里」がその後どうなったのかはわかりませんでしたが、もしかしたら今も「村」に住んでいる人がいるのかもしれません。
現代はネットのおかげで、こういった活動や生き方をしている人びとがいるということを知る機会がありますが、自ら発信する事が難しかった30年前、もしくはそれ以前から、有名無名にかかわらず、形は違えど同じような集団が居たんだと思います。
まずは自由にできる土地を手に入れることからはじまり、その先は自然回帰や温故知新の暮らしを目指すのか、それともまったく新しいこと試していくのかはそれぞれですが、その基幹にあるものは皆同じである気がします。
何かを作り上げる作業とうのは単純に楽しいものです。