映画『バイオハザード: ザ・ファイナ御紹介



ル』 (Resident Evil: The Final Chapter) は、2016年12月23日公開[2](全米では2017年1月27日公開)のホラーアクション映画。

バイオハザード: ザ・ファイナル
Resident Evil: The Final Chapter
監督
ポール・W・S・アンダーソン


脚本
ポール・W・S・アンダーソン
原作
カプコン『バイオハザード』
製作
ポール・W・S・アンダーソン
ジェレミー・ボルト(英語版)
ロバート・クルツァー
サミュエル・ハディダ
製作総指揮
マルティン・モスコヴィッツ
ヴィクター・ハディダ
出演者

ミラ・ジョヴォヴィッチ



アリ・ラーター



ショーン・ロバーツ
ルビー・ローズ
ローラ
オーエン・マッケン(英語版)
ウィリアム・レヴィ(英語版)
イアン・グレン
音楽
ポール・ハスリンジャー(英語版)
主題歌
L'Arc〜en〜Ciel「Don't be Afraid」
(日本語吹替版)[1]
撮影
グレン・マクファーソン
編集
ドゥービー・ホワイト
製作会社
カプコン
コンスタンティン・フィルム
デイヴィス・フィルムズ
ドン・カーモディ・プロダクション
インパクト・ピクチャーズ
配給
アメリカ合衆国の旗スクリーン・ジェムズ
日本の旗ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
公開
日本の旗2016年12月23日[2]
アメリカ合衆国の旗2017年1月27日
上映時間
106分
製作国
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
イギリスの旗 イギリス
ドイツの旗 ドイツ
言語
英語
製作費
$40 million
興行収入
$312,242,626
日本の旗 42.7億円[3]
前作

バイオハザードV リトリビューション


カプコンのサバイバルホラーゲーム『バイオハザードシリーズ』を原作とした、ポール・W・S・アンダーソン製作の実写映画版シリーズ第6作品目かつ最終作である[4]。 

概要
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2012年公開の『バイオハザードV リトリビューション』(以降『V』)から約4年振りの作品となる。

監督・脚本のポール・W・S・アンダーソンいわく、本作では『バイオハザード』(以降『I』)のような、ホラー色の強い要素を意識して制作したとのこと[5]。

前作『V』と前々作『バイオハザードIV アフターライフ』(以降『IV』)は、ジェームズ・キャメロン監督の『アバター (映画)』等でも使用された、撮影した映像がそのまま3D映像になるフュージョンカメラシステムを用いて制作された3D作品だった。しかしポールは本作で初めて「コンバージョン」(2Dカメラで撮影して編集で3D作品にする方式)に挑戦している。これはフュージョンカメラシステムを搭載した3Dカメラでは、サイズが大きくカメラワークに制限が出てしまうからであり、近年コンバージョンの技術が進化したこともあって、本作ではこちらを用いたとインタビューで語っている。[6]。

本作は『IV』や『V』にあったような、原作ゲームのシーンをそのまま再現したような描写は少なくなり、『I』や『バイオハザードIII』(以降『III』)同様、映画オリジナル要素が強い作風となっているが、舞台装置や演出などには、依然として多くの原作ゲームへのオマージュ要素が見て取れる。最終作ということで前作までの全5作品のハイライトが多く描写されている。

シリーズの主人公であるミラ・ジョヴォヴィッチが演じるアリス以外の主要人物としては、アリ・ラーターが演じるクレア・レッドフィールドが『IV』以来ぶりに再登板するほか、ショーン・ロバーツ演じるアルバート・ウェスカーが前作に引き続き登場する。また、アンブレラ社の創設に携わったキーパーソンとして、原作ゲーム『0』などに登場したジェームズ・マーカスがT-ウイルス開発者として映画に初登場。ジェームズとその娘のアリシアは、映画の主人公を務めるアリスの出生の秘密にも大きく関わってくる。さらに『III』で死亡したはずのイアン・グレン扮するアイザックス博士が、シリーズの黒幕として『III』以来ぶりに再登板する。

クリーチャーは、シリーズの顔とも言える「アンデッド(ゾンビ)」、「ケルベロス」が登場するほかに、原作ゲーム『5』から「ポポカリム」、『6』から「ブラッドショット」、そして「ジュアヴォ」の名を冠するアンデッドが登場する。

あらすじ
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この節にあるあらすじは作品内容に比して不十分です。あらすじの書き方を参考にして、物語全体の流れが理解できるように(ネタバレも含めて)、著作権を侵害しないようご自身の言葉で加筆を行なってください。
主人公のアリス・アバーナシーが目を覚ました時、その周りに広がっていたのは荒廃したワシントンD.C.だった。アリスはそこで巨大なコウモリのようなクリーチャー「ポポカリム」と死闘を繰り広げ、辛くも生還する。その後、アリスは廃墟と化したホワイトハウス周辺の建物を徘徊するうち、あるコンピューターが設置されている部屋を見つける。その室内のモニターに映し出されたのは、アンブレラ社の人工知能レッドクイーンだった。

レッドクイーンはアリスに「T-ウイルスに感染した、すべてのものを抹消できる抗ウイルス剤をアンブレラ社が開発した。それはラクーンシティの地下にあるハイブの中にある。そして、48時間以内に抗ウイルス剤を空気中へ放出させなければすべての人間が死亡し、アンブレラ社の真の目的が遂行されることになる。私はアンブレラ社に逆らえないが、人類を尊重するようにプログラミングされている。あなたに人類を救ってほしい。」と伝える。

アリスは以前にハイブやアンブレラ・プライムでレッドクイーンが自分や仲間たちを殺そうとしたため、レッドクイーンに対して半信半疑であったが、最後の望みをかけてラクーンシティへ向かう。その道中で襲ってきたアンブレラ社の隊員たちによる危機を脱した直後、アンブレラ社専用のバイクを使用しようとしたために電気ショックが発生し、アリスは失神してしまう。

意識が戻ったのは、アンブレラ社の装甲車内だった。そこには、アリスが以前に倒したはずのアイザックス博士がいた。アリスは移動中の装甲車上でアイザックスと死闘を繰り広げた果てに脱出し、かつての戦友クレア・レッドフィールドや新たな仲間と合流し、アルバート・ウェスカーのいるハイブへ向かう。その道中にはさまざまな罠が仕掛けられており、それらを切り抜けて最終決戦に挑むアリスは、自らの出生の真実を知ることとなる。

キャスト
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主要人物
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アリス・アバーナシー(Alice)


演:ミラ・ジョヴォヴィッチ
本作の主人公で元アンブレラ社の特殊工作員。かつて映画一作目『I』で、ハイブでのT-ウイルスの漏洩事件(バイオハザード)に遭遇し、そこから脱出して以降、数々の修羅場を切り抜けてきた。
映画二作目『II』では、アンブレラの研究員であるアイザックス博士から「アリス計画」と称してT-ウイルスを投与され、肉体的な変異を起こさないまま、超人的な身体能力とテレキネシスのような特殊能力を覚醒させ、被検体の成功例となる。映画三作目『III』で、アイザックス博士とアンブレラはアリスの驚異的な能力を制御しようと試みるが、失敗して多大な損害を負ってしまい、映画四作目『IV』でアンブレラの幹部であるアルバート・ウェスカーからリコールと称されてT-ウイルスの中和剤を打ち込まれて、ウイルスとの適合により手に入れたテレキネシスなどの能力を全て失う。
前作『V』終盤のワシントンD.C.のホワイトハウスにて、ウェスカーに薬品を投与されたことで、テレキネシスを取り戻したように描かれていたが、本作の小説版によると、ウェスカーがアリスに使った薬品の効力は一度きりの不完全品であり、小説版でのみ描かれるワシントンD.C.でのアンデッド軍団との戦いを脱するためにその力を使用し、再びテレキネシスは失われたことが本作の小説版に記されている。そのため本作ではテレキネシスは用いず、高い身体能力と銃火器やナイフを駆使したスタイルで戦う。主に使用する武器は、原作ゲーム『5』などに登場するゲームオリジナル武器で銃身が三つ存在するソードオフ・ショットガンの「ハイドラ(Hydra)」[7]。熟練の戦士で、並の兵士やクリーチャーであれば複数以上相手にしても物ともしないが、超人的な能力を有したオリジナルのアイザックスや武道の達人のチュウ司令官を相手に力が及ばずに、地の利を活かすなどした頭脳戦を用いる事でようやく辛勝に持ち込む事も少なくない[8]。
本作での彼女の性格はこれまでの多くの戦いを通して、人生を達観しており、『I』の屋敷で目を覚ましてから、本作まで、ずっとアンブレラ社とアンデッドと戦い続けていることを皮肉って、「走ることと殺すことが私の人生」[9]であると語ったり、アンブレラの兵隊に捕縛された際に、殴られても笑いながら「それで精一杯?(Is that all you got?)」と煽ったり、アイザックス博士との最後の戦いで、追い詰められているような状況でも皮肉めいた笑いをするなど、感情的になる面が多かった初期三部作と比べると皮肉屋でシニカルな性格になっている[10]。アンブレラの人間を殺すことに一切の躊躇は無いが、アンブレラが罪のない人間を殺し続けていることに嫌悪を抱き、生存者を身を挺して助けようとするなどの良心はずっと持ち合わせている。過去作同様情に厚い部分は変わらず、過去の仲間たちで唯一生き延びているクレアとは固い友情を築く。
本作では、ワシントンD.C.での戦いを一人生き延び、あてもなく彷徨っていたところをレッドクイーンと再会し、人類がまだ4472人生き残っていることと、48時間以内に残っている人類もアンブレラによる攻撃で全て滅びることをレッドクイーンから聞かされる。始めはレッドクイーンによる勝利宣言かと思って話を聞いていたが、レッドクイーンからアンブレラの最重要機密であるT-ウイルスに感染した地球上の生物すべてを殺すことが出来る「風媒の抗ウイルスワクチン」がラクーンシティのハイブに存在することを聞かされ、これを使ってアンブレラが引き起こした惨劇に終止符を打ってほしいと矢継ぎ早に依頼される。
レッドクイーンとは、今回のワシントンD.C.での戦いだけでなく、ハイブや生物兵器のシミュレーション施設アンブレラ・プライムの中で敵対し、多くの仲間を殺された経験があるため「信用できない」と一蹴するが、レッドクイーンは、アリスが今、最も望んでいる情報である「ウェスカーの所在」を明かし、彼もまたラクーンシティのハイブの中にいることを伝える。
半信半疑ではあるものの、レッドクイーンの情報が嘘だったところで、もはや失うものは何もなく、裏切って多くの仲間を殺したウェスカーへの復讐を果たすため、そして十年前のハイブでのウイルス漏洩を止められなかった責任から、アリスは全ての事件の始まりの地であるラクーンシティのハイブへ向かう。
紆余曲折の末ハイブに到着後は、因縁の相手であるアルバート・ウェスカー、アンブレラ社の創始者であるアレクサンダー・ローランド・アイザックス、T-ウイルス開発者の娘で、アイザックスと共にアンブレラ社の共同所有者であるアリシア・マーカスの三人と邂逅し、そこで自身の出生に関する真実をアイザックス博士により告げられる。
アリスの正体は、T-ウイルスを開発したジェームズ・マーカス教授の一人娘であるアリシア・マーカスが、早老症の「プロジェリア」を発症せず、健康体のまま成人女性に成長した姿を想定して作られたクローン人間であり、アンブレラの最高経営責任者であるアイザックス博士のクローン体が、様々な役職を与えられてアンブレラの仕事に従事しているのと同様に、同じくアンブレラの最高経営責任者であるアリシアのクローン体として、『I』でアリスが目覚めたハイブの入り口である洋館(鏡の館)を警備させる目的で製作された。アリスが両親の顔を覚えていなかったことなど、洋館での生活以前の記憶が、未だに不慥かなのはそのためである。
自身の記憶に関しても、最も用いている名前である「アリス・アバーナシ―(Alice Abernathy)」、かつて『I』でアンブレラによる命令で偽装結婚し、ともに屋敷で恋人として暮らしていたスペンサー・パークス(スペンス)との記憶や、彼の姓である「パークス(Parks)」、かつて『II』の公式サイトや一部資料集などでアリスの本名として語られていた「ジェイナス・プロスペロー (Janus Prospero) 」などの名前や、その名前を名乗っていた以前の生活の記憶があることを小説版で思い出しているが[11]、断片的に思い出した、かつて名乗っていた名前などの記憶のうち、ハイブでスペンスと暮らす以前の全ての記憶が、アンブレラによって植え付けられた偽りの記憶であることが判明する。
アイザックス曰く、「アンブレラ・プライム」などで量産されていた他のアリシアのクローン体と違って、運良く長く生き延びただけに過ぎず、長く生き延びたために自身を本物だと思い込んだアリスのことをアイザックスは「糸の切れた操り人形」と評している[12]。
このためアイザックス博士は、ハイブ(鏡の館)で生まれてから、十年間も世界を彷徨って、再びハイブに帰ってきたアリスのことを「放蕩娘(prodigal daughter)」が帰還したと嘲り笑っている。
自身の出生の秘密を知って絶望するが、アンブレラと戦いたくても、弱くて戦えなかったアリシアと異なり、ずっとアンブレラと戦い続けてきたアリスのことをアリシアは「オリジナルである自分よりもずっと優れている」と称賛し、「あなたは強くあって欲しい」と希望を託される。
自身のオリジナルであるアリシアから希望を託されたアリスは、自身に課せられた最後の役目として、アイザックスの所持する「風媒の抗ウイルスワクチン」を世界に解き放ち、自分自身を含めたT-ウイルスに感染した生物全てを死滅させることを決意し、クレアとアイザックス博士との最後の戦いに挑む。しかし、圧倒的な力の差でクレアは全く対抗できず、一瞬で倒されて気を失う。アリスも必死に戦うも、パワーでもスピードでも圧倒されるうえに攻撃を予想されてしまう「格闘予測ソフトウェア」には為す術がなく、立っているのもやっとの状態に追い込まれ、とどめの一撃を食らって倒れた。そして追い討ちでレーザーで左中指、薬指、小指を失ってしまうが、指を犠牲にして得た隙をついて、懐に手榴弾を仕込めて倒した。その後、大量のアンデッドが自身に迫る中、抗ウイルス剤を解き放ち、T-ウイルスを浄化した。同時にアンデッドの大群と共に倒れ込み息を引き取ったかに見えたが、実際には抗ウイルス剤はT-ウイルスのみを破壊し、アリス自身の健康な細胞は一つも壊さなかったため生還した。
アンブレラの計画のための「道具」として生まれ、自分自身が抗ウイルス剤により死んでしまうことを恐れず、献身的にアンブレラと戦ったアリスを、レッドクイーンは「人間よりも人間らしくなった」と称賛した。そして戦いの果てにアリシアが遺した記憶データとリンクし、アリシア・マーカスの幼少期の思い出を手に入れる。
アリシアの思い出と自身の十年間の戦いの記憶が合わさり、アンブレラの「道具」でも、アリシア・マーカスでもない、自分自身の記憶を手に入れた彼女は、最後に「私はアリス………〜。



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