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仁の話から、マンデラエフェクトと言う不思議な現象を知って、葵自身も気になっていろいろ調べてみると、漢字や地図が変わっている事に気付いた人が回りにその話をしても、勉強をちゃんとしてないだけだとか、勘違いして覚えていただけだろとか言われるだけなので、口にしないようにしている。
ネットの中でしか話せない。
と言う人が、ほとんどだった。
確かに自分が経験して無いことを信じろと言うのは無理がある。
自分が逆の立場なら同じ様に思うのが自然だ。
茜に信じてもらうのは無理だろうなぁ。
私も極力、回りには話さない様にしよう
休日の今日は天気も良かったのでショッピングモールへ来てみたものの、思ったほどには気分は晴れなかった。
そろそろ帰ろうかな
そう思って出ようとした時、店の少し離れたソファーの上に小さめの鞄らしき物を見つけた。
あれは。。忘れ物?
ソファーの色とマッチしていて良い感じには見えるけど、ディスプレイじゃないのは確か。。
お店の人に届けた方が良いのかなと、鞄を取りに行こうと思った直後に。。。
でも忘れた人、気付いて直ぐに戻って来るかな。。
鉢合わせするのもちょっと恥ずかしいかも。。
とためらっていると、一人の女性がその鞄に気付いて何の迷いもなくそこへ向かうと手に取った。
そしてその直後に一人の男性が慌ててやって来て、その女性に、それは自分の物だと伝えてお礼を言っていた。
その後二人は別々に帰って行くのかと思いきや、同じ方向だったらしく、話をしながら帰って行った。
それがちょっと良い雰囲気で、やっぱり自分が行かなくて良かった。
私が行ったら、あの二人は出会う事がなかったんだもの。
葵は昔から妄想癖があって、ちよっとしたきっかけから始まる恋愛とか、空想するのが好きだった。
例えば映画を見て感動して泣いてる時に、隣の男性が泣いていたりすると、ここでどちらかが、
「良い映画でしたね」
なんて声をかけたりして、始まる恋愛があっても良いかも。。
なんて考えてみたり。。
なのでこんなシチュエーションは、ついその先を勝手に想像してしまう。
たがしばらくして、この想像がまったく違ったものだった事を知る事になる
「お姉ちゃん、ちょっとTVのニュース見て。ここの近くで殺人事件があったんだって。」
茜の声に、台所の掃除をしていた葵は一旦手を止めて、リビングへ行った。
「本当に?」
TVの画面を見ると、28歳の男性が26歳の女性を殺害となっていた。
二人の写真を見た時に、葵はどこかで見た様な気はしたものの、はっきりとは思い出す事が出来なかったが、二人の出会いは男性が鞄を店に忘れたのをたまたま彼女が見つけたのがきっかけと言ってるのを聞いてハッとした。
あの時の。。。
そう言えば顔は良く見てなかったけど、髪の長い人だったな。。。
写真を見ると、色が白くて、くっきりした顔立ちの美人だった。
こんな綺麗な人なのにどうして。。
ニュースによると、彼女はそこまで気持ちがなかったのに、男性の方が夢中になり、次第にストーカー行為が酷くなっていったと言う事だった。
ストーカーになりそうな人には見えないのに、顔を見ただけではわからないものだ。
あの時、私が鞄を渡していたら、彼女は死なずにすんだのだろうか。
運命だから仕方がないとしても、それを思うと胸が痛んだ。
第七話へ続く
以上シェア!
ネットの中でしか話せない。
と言う人が、ほとんどだった。
確かに自分が経験して無いことを信じろと言うのは無理がある。
自分が逆の立場なら同じ様に思うのが自然だ。
茜に信じてもらうのは無理だろうなぁ。
私も極力、回りには話さない様にしよう
休日の今日は天気も良かったのでショッピングモールへ来てみたものの、思ったほどには気分は晴れなかった。
そろそろ帰ろうかな
そう思って出ようとした時、店の少し離れたソファーの上に小さめの鞄らしき物を見つけた。
あれは。。忘れ物?
ソファーの色とマッチしていて良い感じには見えるけど、ディスプレイじゃないのは確か。。
お店の人に届けた方が良いのかなと、鞄を取りに行こうと思った直後に。。。
でも忘れた人、気付いて直ぐに戻って来るかな。。
鉢合わせするのもちょっと恥ずかしいかも。。
とためらっていると、一人の女性がその鞄に気付いて何の迷いもなくそこへ向かうと手に取った。
そしてその直後に一人の男性が慌ててやって来て、その女性に、それは自分の物だと伝えてお礼を言っていた。
その後二人は別々に帰って行くのかと思いきや、同じ方向だったらしく、話をしながら帰って行った。
それがちょっと良い雰囲気で、やっぱり自分が行かなくて良かった。
私が行ったら、あの二人は出会う事がなかったんだもの。
葵は昔から妄想癖があって、ちよっとしたきっかけから始まる恋愛とか、空想するのが好きだった。
例えば映画を見て感動して泣いてる時に、隣の男性が泣いていたりすると、ここでどちらかが、
「良い映画でしたね」
なんて声をかけたりして、始まる恋愛があっても良いかも。。
なんて考えてみたり。。
なのでこんなシチュエーションは、ついその先を勝手に想像してしまう。
たがしばらくして、この想像がまったく違ったものだった事を知る事になる
「お姉ちゃん、ちょっとTVのニュース見て。ここの近くで殺人事件があったんだって。」
茜の声に、台所の掃除をしていた葵は一旦手を止めて、リビングへ行った。
「本当に?」
TVの画面を見ると、28歳の男性が26歳の女性を殺害となっていた。
二人の写真を見た時に、葵はどこかで見た様な気はしたものの、はっきりとは思い出す事が出来なかったが、二人の出会いは男性が鞄を店に忘れたのをたまたま彼女が見つけたのがきっかけと言ってるのを聞いてハッとした。
あの時の。。。
そう言えば顔は良く見てなかったけど、髪の長い人だったな。。。
写真を見ると、色が白くて、くっきりした顔立ちの美人だった。
こんな綺麗な人なのにどうして。。
ニュースによると、彼女はそこまで気持ちがなかったのに、男性の方が夢中になり、次第にストーカー行為が酷くなっていったと言う事だった。
ストーカーになりそうな人には見えないのに、顔を見ただけではわからないものだ。
あの時、私が鞄を渡していたら、彼女は死なずにすんだのだろうか。
運命だから仕方がないとしても、それを思うと胸が痛んだ。
第七話へ続く
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