一週間のフランス訪問を終え、2月22日夕刻帰国しました。フランスではパリ、グルノーブル、ヴァランスの三都市で「太陽の蓋」の上映会プラス討論会に参加し、国営テレビをはじめメデイア取材も数多く受けました。

 

フランスは電力に占める原発の比率が75%と世界で最も高い、原発大国です。フランスはドゴールの時代に独自で核兵器を開発し、アメリカから自立したという自負を持っています。そうした背景もあり、保革を超えて原発を許容する政治的風土があるようです。

 

しかし一方でチェルノブイリ原発事故以来フランスでも原発に反対する市民運動は根強く、ヴァランス市では放射能の市民測定所を視察することができました。この施設はチェルノブイリ原発事故の時にフランス政府が「放射能はフランス国境には届いていない」とウソの発表をしたのに対抗して、市民が自らの手で立ち上げた測定所です。

 

また帰国直前、マクロン大統領に近いジャック・アタリ氏と意見を交わす機会がありました。彼は地球温暖化対策のためには原発が必要と大統領の意見を代弁していました。私からは地球温暖化対策はもちろん重要であり、そのためには原発ではなく再生可能エネルギーへ転換すべきだということを強調しておきました。

 

今回、福島原発事故を描いた映画「太陽の蓋」がフランス各地で一か月間にわたり上映されることになったのも、フランスにおける脱原発運動の盛り上がりが背景にあるように感じました。

 

 




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