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   光の旅人 K-PAX御紹介




『光の旅人 K-PAX』(ひかりのたびびと ケーパックス、原題: K-PAX)は、2001年に公開されたアメリカ合衆国の映画。原作はジーン・ブリュワーの小説『K-パックス』。


光の旅人 K-PAX
K-PAX
監督
イアン・ソフトリー
脚本
チャールズ・リーヴィット
原作
ジーン・ブリュワー
製作
ローレンス・ゴードン
ロイド・レヴィン
ロバート・F・コールズベリー
製作総指揮
スーザン・G・ポロック
出演者
ケヴィン・スペイシー

ジェフ・ブリッジス
音楽
エド・シェアマー
撮影
ジョン・マシーソン
編集
クレイグ・マッケイ
製作会社
サミット・エンターテインメント
ユニバーサル映画
ウォルト・ディズニー・ピクチャーズ
配給
アメリカ合衆国の旗 ユニバーサル・ピクチャーズ
日本の旗 日本ヘラルド映画
公開
アメリカ合衆国の旗 2001年10月26日
日本の旗 2002年4月13日
上映時間
120分
製作国
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語
英語
製作費
$68,000,000[1]
興行収入
$65,001,485[1]
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キャスト 編集

プロート - ケヴィン・スペイシー(日本語吹替:石塚運昇)
マーク・パウエル博士 - ジェフ・ブリッジス(日本語吹替:佐々木勝彦)
レイチェル・パウエル - メアリー・マコーマック(日本語吹替:相沢恵子)
クラウディア・ヴィラー - アルフレ・ウッダード(日本語吹替:唐沢潤)
ハウイー - デヴィッド・パトリック・ケリー(日本語吹替:佐々木梅治)
参考文献 編集



ストーリ




 K-PAX星人プロートを演じるケビン・スペイシーの抑制された演技が光る佳作である。『アメリカン・ビューティー』、そして、この『心の旅人』を見ると、ケビン・スペイシーはダスティン・ホフマンのような地位(さえない親父役をやらせると右に出るものがいない)を獲得しているように思えた。
 精神科医パウエル役のジェフ・ブリッジスもピッタリとはまっている。
kpax1.jpg (11371 bytes)
K-PAX星人プロート
(ケビン・スペイシー)

 プロートが本当のK-PAX星人かどうかという疑問は、映画的には「つかみ」という意味では重要だが、後半はプロートとパウエル、そしてプロートと患者たちの心の交流へと描写の主眼が移っていく。プロートはK-PAX星人だったのだろうか? そんな謎を残しながら、プロートに触れた人々は癒しへと向かっていく。もちろん、パウエル医師も。仕事に忙殺され、忘れていた息子との交流を思い出し、映画は幕を閉じる。涙が出るという感動ではないが、何かしみじみとして心が温まる。良い映画である。

プロートはK-PAX星人か?
 さて、プロートは本当にK-PAX星人だったのだろうか? この問題は、実はあまり本質的ではない。『エヴァンゲリオン』における「死海文書」のようなもので、あまりこだわりすぎると映画を勘違いして解釈することにも、なりかねない。すなわち、映画のテーマは、彼が宇宙人かどうかではない、別なところにあるということ。
 しかし、どうしても彼がK-PAX星人だったか、割り切れないモヤモヤとした気持ちの人も多いかもしれないので、この問題について簡単に考察してみよう。

 プロートは本当にK-PAX星人だったのか? 結論から言えば、K-PAX星人であったとも考えられるし、そうでなかったとも考えられる。すなわち、両方で解釈できるように、映画が作られているというのが正しいだろう。
 『K-PAX』のテーマの一つは、「信じればそれは実現する」ということである。 
 例えば、科学者の目の前で宇宙旅行をしてみろと言れたプロートが、「アミーゴ。アロハ」と早口で言う。一瞬のうちに、宇宙旅行をして戻ってきたのだという。これを口からでまかせの嘘と言えばそれまで。しかし、これが宇宙旅行だと言えば、そうかもしれない。考え方しだい。それを信じるかどうかが重要なのだ。
 プロートに触発された患者たちは、プロートの話を本気で信じていく。信じること。それは癒しに通じる。自分自身や他人を信じられなくなっていた患者が、プロートのK-PAX星の話を信じることを通して、心の壁を取り除いていく。
 7月27日。硬直したプロートが自室からストレッチャーに乗せて運び出される。そのとき患者の一人が、「あれはプロートか?」と言うのに対して、別な男が「いや、プロートじゃない。彼は、K-PAX星に行ったから」と言う。ストレッチャーで運ばれた男の顔は、どうみてもプロートである。しかし、プロートの話を信じた者にとっては、そう見えなかったのだ。プロートの話を信じた者にとっては、プロートはK-PAXに戻った。その点において、プロートはK-PAX星人だったと言える。
 パウエル医師は、プロートがニューメキシコに住むロバートという男であると確信した。しかし、エンドロールでの望遠鏡を覗くカットは、「ひょっとしたら」という可能性を捨てられないパウエルの「信じる心」を表しているのだろう。
 見えると思えば見えるし、そうでなければそれが存在したとしても目に見えてこない。パウエルと、離婚した妻との息子との関係がそうである。パウエルは、息子のことを忘れていたわけではない。気にはかけてはいたが、日々忙しい仕事に忙殺されて、意識の外におかれてしまっていた。プロートに指摘されて、初めて息子との関係の大切さを再認識し、息子と一緒に過ごす時間を作る(エンドロール)。愛情や人の大切さというのは、見ようと思う目を持たないと見えてこないものだ。
 プロートは、信じること、見えないものに目を向けることの大切さを周囲に伝えていく。
 信じればそれは現実なる。このテーマに照らせば、あなたがプロートをK-PAX星人だと信じれば、それは正しい解釈として許容されることを示している。

ロバートは、なぜK-PAX星人になったのか?
 そうは言っても現実的に見れば、プロートはK-PAX星人ではなく、ニュー・メキシコの住人、ピーター・ロバートが家族惨殺事件に遭遇し、そのトラウマから回避するめために記憶喪失となり、「自分はK-PAX星人である」というファンタジーの世界の住人となったと考えられるのが妥当であろう。
 プロートが、ピーター・ロバートであるという最大の証拠は、彼の名前にあるだろう。
Prot(P-Rot) は Robert Poterを、短くしたものである。プロートが初めて名前を聞かれるシーン。彼は、一瞬とまどって、「プロート」と言う。この時、自分の本名を覚えていたのか、あるいは記憶喪失になっていたかは不明であるが、彼の頭の中にあったPeter Robertという名前から、Protは生み出された。 

 「K-PAX星では家族のつながりがない」とプロートは言う。これは、家族を失ったロバートのトラウマが、彼の心を閉ざさせてしまったことを示す。家族愛、すなわち自分の家族との暖かな交流を、事件と一緒に忘れ去りたいという心性である。
 しかし、プロートは「人間のつながりがない」と言う一方で、パウエル医師や他の入院患者と、深い人間関係を築いていく。プロートの態度や喋り方はいたってクール。しかし、単純ながらも含蓄のあるプロートの言葉に、パウエル医師や他の入院患者は心を動かされ、プロートという人間に魅了されていく。



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