夢の中でもあの人が好きだった。
私を好いてくれたが、思わせ振りな態度をしたり、少し我儘を続けたら離れてしまった。

慌てた私は あの人を探した。
でも忙しいあの人とは なかなか会えなくて、多忙な中 時間を作ってくれていたのだと改めて知り、後悔した。

泣きそうな思いで あの人を探して探して、やっと会える機会が訪れた。
沢山の人がいる中、私は あの人しか目に入らなかった。

あの人の視線を時々感じたけれど、話しかけてはくれず、近くに来る事もなく、宴の夜は更けていった。

ポツポツと人が帰り、楽しさの余韻が場に残る中、私は疲れ果ててソファに座った。
まだ人は所々 残っていて、私から何人も隔てた所に あの人がいた。
グラスを片手に優しい笑顔を他の人に向けて。そのうち 私はウトウトしてしまった。


朧気な記憶では あの人が隣に座り、私が肩にもたれかかるのを許してくれていた。
暖かさと覚えある感触に安心した私は 深く寝てしまった。


ふと目を開けると朝の光。
ハッと起きると あの人はもう居なくて、座っていた場所には跡が残り、覚えある香水の香りが微かにした。


気だるそうにテーブルを片付けていたメンバーが言った。
「仕事があると言って数分前に帰った。あいつはお前が好きだよ、表情を見れば判る。大事にしろよ」


次はいつ会えるのだろう。
覚えている感触と、かけてもらった言葉が嬉しくて。でもやっぱり側に居ない事が寂しくて。





私が好きな人は右の人で、言葉をかけてくれたのは左の人でした(笑)



起きた時の幸福感は本物だった~🥰