先日、オンコロさん主催で、「がんの臨床試験を知る」と言うセミナーが行われ、近畿大学がんセンター長の中川和彦先生が講義を行われました。



臨床試験についてとても解りやすいお話しでしたので、お時間のある時にご覧ください。




ただ今回の本題が、その中で笠井アナウンサーの「先進医療ってどうなんですか?」と言う質問に対する中川先生の答えが、なるほど!ズバリ!

以下の動画の、31分以降のやり取りをご確認ください。


がんの臨床試験を知る

※カバー写真に中川先生の写真をお借りしました



ところで、話しを戻して「先進医療」とはなに?と思われる方もいらっしゃると思いますので、改めて簡単な説明を。


先進医療とは、研究中で標準治療としては現時点で認められていない治療です。健康保険の対象外であるため、患者が全額自費で治療費をはらう必要があります。

また、先進医療にはAとBがあり、Aは既に承認された医薬や医療機器を用いるケースが多く、Bはそうでないものです。一般に、先進医療Aは保険医療に移行する可能性が高く、先進医療BはAよりも科学的証拠が乏しいと理解されています。


以下に厚生労働省が現時点で指定している先進医療を示します。




いずれにせよ、先進医療は標準治療(現時点で根拠を持って保険診療が認められている治療法)を目指して研究中のものです。このため、先進医療が標準治療ととして認められるためには、良い結果を積み上げる必要があります。言葉を変えると、先進医療実施側は、確実に結果の出る患者・症例を求めている事になります。先進医療を申し込んだが門前払いを受けた、という話しを聞くことがありますが、上記のような背景があります。




先進医療を選択する場合は、上記の背景を理解した上で、十分な検討が必要です^ ^