このブログは将棋ジャンルなのですが、ここのところ将棋記事を書いていなかったので、少し反省して、先日の王位戦第4局について、書いてみたいと思います。


※スクショお借りしました




話しは変わりますが、経済用語に「サンクコスト(埋没費用)」というものがあります。

Wikipediaの表記によると、事業や行為に投下した資金・労力のうち事業や行為の撤退・縮小・中止をしても戻ってこない資金や労力のこと、とあります。

また、サンクコスト効果という言葉もあり、一度事業に資金をかけてしまうと、それに引きずられて、その事業が中止できなくなってしまうことを言います。効果の薄い公共事業が中止できなくなるっていうのが典型的な例です。



さて、将棋の話しに戻りましょう。

王位戦第4局の一日目の終わり、32手目の藤井王位の封じ手となった、金で飛車取りをかけられた場面です。

普通、ここは飛車を逃げる、△5五飛の一択かと思いきや、延々と考え封じ手の時間を超える55分の長考。明らかに、飛車と銀を交換する飛車切りの△7九飛成を考えていました。ここでこの手を考え掘り下げる事自体がとんでもないと思うのですが、翌朝開封された封じ手に掲載されていたのは、至って平凡な、△5五飛!のほう。


普通の人であれば、これだけ時間を使って検討したのだから(これぞサンクコスト)という感情があっても不思議ではありません。


しかし、局後のコメントでは飛車切りに成算が持てなかっとあっさり。

将棋界でよく言う、「手に惚れる」「手の顔を立てる」といったところから最も遠くにいるのが、藤井聡太をして、天才足らしめているのではないかと感じた次第です。




さて王位戦は、これで藤井王位の3勝1敗。佐々木大地七段が、地元九州で意地を見せました!



私はといえば、藤井ファンではありますが、この二人の将棋がもう一局見られるので、ちょっと嬉しかったりして(^^;;

次も素晴らしい内容の将棋を期待しています^ ^