米長邦雄さんという、将棋指しがいました。

永世棋聖の称号を持ち、名人位をも獲得した、昭和を代表する名棋士の一人です。残念ながら、2012年に故人となっています。


※写真お借りしました


華のある将棋と言動で、多くのファンを獲得していました。また、将棋連盟の会長を務め、連盟の近代化に尽力されました。


将棋界に、多くのものを残された米長先生ですが、その中でもっと大きな遺産が、「米長哲学」です。


将棋をご存知ない方には「米長哲学」は聞きなれない言葉だと思いますが、現在将棋界が健全な形であり続けているのは、この「米長哲学」の影響が大きいと思います。


では「米長哲学」とは何か?

最も重要な勝負は、勝負の結果が自分の地位に影響せず、戦う相手の地位に影響を与えるものである。そこで全力を尽す事が、必ず自分自身にプラスとして戻ってくる。

言葉を変えると、「相手に重要で、自分の消化試合こそ、死にものぐるいで戦え」、というものです。

米長先生が、自分の消化試合に、タイトル戦並みに和服を着て、文字通り必死で戦っていた姿を思い出します。


消化試合だから、相手にとって重要な勝負だからと、手ごころを加えるようなことをすると、その業界・世界自体が緩いものになってしまいます。

将棋プロの世界が、厳しい競争により、健全で、レベルが上がり続けているのも、この「米長哲学」が影響を与えていると思います。


大相撲など、この「米長哲学」が必要な競技は多いと思いますよ^ ^