走ってきた!第30回日本山岳耐久レース(ハセツネカップ)その7 夜を超えて 編
 
 
 
06:10 オオダワ着
ダワ、とは緩い峠のことらしい。ここは車道が通じていて、リタイアポイントでもある。常設のトイレがあり、人界に戻った気がする。計画ではまだ5時間あるが、夜を超えることができて、ひとまず安堵した。
雨も止み、暑さも感じてきたので上下のカッパを脱いだ。泥対策にスパッツも着けていたのだが、右足側はいつの間にか失くなっていた。残っていた左足のスパッツは、隙間に大量の泥が入り込んでおり、それを取り除くとスッキリした。帽子は、汗止め用の手拭い巻きに替えた。

座って作業をしていると、ある選手が大会スタッフとリタイアの相談をしている声が聞くともなしに聴こえてくる。右のテントがリタイア者の待機用らしい。中は暖房があり、軽食、汁物があるそうだ。リタイア者はクルマで搬送してもらえるのだが、会場の五日市会館まで片道1時間掛かるので、すぐには運んでもらえないそうだ。

🐱はまだまだイケル。だから食べないと、と思ってカキピーを掻き込んだが、呑み込めなくて、噛んでいるうちに近くのトイレの臭気も吸い込んでしまって、目がシロクロになる。今度こそ戻しそうになったが、本当に口を押さえて我慢、飲み物で流し込んだ。
 
06:35  出発前に靴を記念撮影。
たまたま写り込んでしまった、選手。この方はまだ綺麗な方かと思う…。右の青テントに吸い込まれないように。。。

いつも思うのだが、🐱は一回の休憩が長いらしく、同じタイミングで来た方は皆行ってしまった。
次のターゲット、大岳山へは取り付き部分の鋸山への急登を過ぎると緩やかな登りが続いた。雨も上がり、もう泥の海、といった道もなく、割と快適に歩く&走れる。ここまでくると勝ちが見えたと思うのか、楽しそうにおしゃべりをしながら歩くパーティが目立った。
 
後ろから、このあたりにいる選手とは思えないスピードと綺麗な服で走って登ってくる人がいて、その勢いに皆、道を譲った。あるパーティを抜かしていくときに、(明らかに違うのだが)そのイキの良さに「お。ダブルの選手だな!」と声を掛けた人がいて、少し笑いが起こる。「違うし!」と答えながらその人は走り抜けていった。夜を越えてほっとした緩い雰囲気に何となくほっこりするも、ちょうど良いのでダブル氏にしばらく付いて走らせてもらった。
 
道は相変わらず良い。走れるところは可能な限り走る。大岳山は奥多摩には珍しく岩場が多いとは聞いていたので、事前にポールを仕舞うかどうか迷ったが、結局そのまま行くことにした。
 
山頂が近付くと確かに岩がちの道であるが、ポールを片手に持って、片手で岩をつかんで登った。このあたりは体力、経験値により個人差があるだろう。
 
07:35 大岳山山頂
霧で山頂は遠望が効かぬ。きっと晴れていれば、絶景なのだろうが、降っていないだけありがたい。
大岳山通過は計画では06:33。1時間も遅れている。しかし、焦りは感じなかった。まだ走れそうだ。このままいければ、まずは完走できるだろう、と思った。
たまたま写ってはいないが、山頂では休憩する選手がたくさん。岩場が多く、登りで列が詰まっていたこともあり、息を整える程度でさっそく下りに入った。
 
 

あと3話続きます笑)