新地50K その①川縁の道


前書き
中止になった泉ヶ岳トレイルランのこと


平地のランニングではなく、本当は山へ行きたいと思っていた。
しばらく前、知らない番号から電話が掛かってきた。個人携帯の場合、知らない番号だとかけ直して対応することが多いが、このときは健康診断を終えたあとでホッと気が緩んだのか、
電話が鳴った瞬間に反射的に出た。それは、今年、儚くも中止になった泉ヶ岳トレイルランの事務局様からで、中止になった分の返金があるので書留で送る、というお電話だった。そういえば、、、しばらく前にメールが来ていて、ランネット経由の申込者はランネット上で手続きをするようにとメールにあったっけ……。
規定の手続きをしない不良ランナーには電話掛けの上、書留対応をしてくれるということだった。

緊急事態宣言が9月末で終わり、全国的に状況が落ち着いた10月は各地の大会も開催されたが、泉ヶ岳トレイルランは9月26日開催日ということで、半月ずれていれば開催の可能性が高かったものの、中止規定により(予定通り)中止となった。無念である。
そんなこんなで、やはり雪が積もるまでに大会の供養には逝かねばと思っていたのだが、それが何故か新地への50K走になってしまった。

なぜか。前夜は仕事と家事の上がりが遅めだったことに加え、嫁様が買ってきたボージョレ・ヌーボーを金曜の夜に開けることとなった。それはもう早起きは絶望的ということ。
恐らくは雪は来週始め辺りの悪天で積もることになろう。それが根雪になるか、溶けてしまうか?トレイルランニングのコースを雪が積もる前に辿って大会への手向けにしたかったのだが、それは叶いそうになかった。



2021.11.21(日)
そんなこんなで少しお寝坊でも何とかなる平地での練習、夏の間は暑すぎるだろうと手を付けなかった50キロ走に出掛けることにした。
天気予報は午前は晴れ、午後は曇りのようである。

以前はR286を西進して県道39号を辿り、岩沼市内を抜けてR6を南下するコース。これは山際を通るので多少アップダウンがある。R4を単純に南下するよりはだいぶ信号が少ないが、もっと停止しないで済む道は無いものか。

そこで今回は笊川から名取川河川敷に入り、閖上まで。そこから市道を拾って震災後に整備された嵩上げ道路を辿り、県道10号、県道38号を通り、新地駅前に至るルートを取ってみる。

文字でルートを綴ってみて思ったが、土地勘が無いとなんのことやらだな、要は津波被災地に開かれた海に近い新しい道路にした、ということ。

11:15出発
相変わらず、遅い出発(笑)
やる気があるのだか、無いのだかわからない。
まだそれほど寒くないので、長袖Tに7インチ丈のパンツ、マーモットのワークキャップ、ブルックスのローンチ5、OMMウルトラ15にお風呂セット。
補給は一本満足バー2本、SOYJOY2本、キビダンゴ1本、420ペット2本。ほか、救急用品。



11:25多賀神社
まずは安全祈願。イチョウが素晴らしい。

笊川へ出る。
晴れだが、すでに空は水蒸気が多そうな。
空を見て、水面を見ながら。

11:50名取大橋で名取川を渡る。
ここは天下のR4。こちら側には歩道が無かった。歩行者信号も遥かに遠い。交通量が多く、白線を辿るのも躊躇われる。よーく見ると反対側に歩道があった。橋をくぐって向こう側に行き、ようやく渡ることができた。

橋の上から。
なにやら川に柵が設置されている。鮭取りでしょうか?昔々、川の測量のバイトをしていたとき、晩秋になると遡上した鮭が河岸近くに横倒しになり、息絶えていた。中にはまだ生きているのもいて、ゆらゆらと泳いでいた。切り身じゃない本物の鮭は大きいものですね。
この柵も鮭を集めるためのものなのかな。

名取川右岸の堤防道路に乗る。
だだっ広い川の景色だが、対岸の今泉清掃工場や猿候沼を過ぎると震災後に拓かれた閖上西の住宅地が見えてくる。
閖上大橋から上流側ではジェットスキーの練習をしているようで、エンジン音が響いている。閖上大橋は、一度河川敷に降りて通過した。すると今まで人影が疎らだった堤防上にたくさんの人がいるのが見えた。

12:35かわまちてらす閖上
これも復興関連の商業施設。たくさんのお客さんに徐行して進む。

いま、舟遊びの実験イベントをしているとのこと。
購入したお客さんに乗船券を配っているらしい。
ちょうど舟が戻ってきた。
もうこの時期はちょっと寒いかな💦
やはり水辺の遊びは夏がいいかな。

向こうはもう海。
だいぶどんよりしているけど、写真ほど暗くはない。でも、水面には輝きがない。海は空を映しているから。



続きます。