時は、土方さんとバーガーの交信の直後。場所は、極東管区行政府庁舎内の行政長官室。
土方さんが、藤堂さんに、ガミラス艦1隻の地球来訪・緊急会談の申し入れ・
緊急会談の目的・3日後に返信すると伝えたことを報告。
藤堂さんが、山南さん(地球防衛艦隊総参謀長)に、至急、行政長官室に来るよう連絡。
第四幕場面転換その1
山南さんが到着後、3人で今後の対応を協議。
山南さんは、飄々とした風貌だが切れ者。ちょうど、銀河英雄伝説のチュン・ウー・チェン総参謀長と同じ雰囲気。
山南さん:「ガトランティスが、大マゼラン銀河に本格侵攻ですか」
藤堂さん:「つい2年前に、地球を滅亡寸前までに追い込んだガミラスへの憎しみは、生々しい体験とともに、ほとんどの地球市民が共有している。この状況で、緊急会談の開催を受諾することは、地球市民の同意を得られないだろう」
土方さん:「長官のご意見はもっともだ。しかし、ガミラスはともかくとして、
イスカンダルは言わば地球の恩人だ。それに、彼らがもたらしてくれるはずの情報には大変興味がある。そもそも、地球を敵視していたガミラスが、我々に協力を求めてきたことは興味深い。ガミラスに何らかの大きな変化があった可能性がある」
山南さん:「わざわざ緊急会談の相手を、『テロン政府代表者及び旧ヤマト乗組員』と指定していることから、彼らの主目的は『ヤマトの出撃要請』でしょう」
藤堂さんと土方さんが黙ってうなずく。
山南さん:「彼らも、地球が彼らにいい感情を持っていないことは先刻承知の上でしょう。それでも、我々の協力を得られる可能性があると踏んだからこそ、地球に特使を派遣してきたわけですよね。ここは、ガミラス・イスカンダル特使のお手並み拝見ということで、緊急会談開催を受諾してはどうですかね」
藤堂さん:「気軽に言ってくれるな。各管区を説得する身にもなってくれ」
山南さん:「それではこうしてはいかがでしょうか。各管区には、貴重な情報源という点とイスカンダルへの恩返しという点をとことん強調して説得。あとは特使殿の
お手並み拝見。ついでに、緊急会談の内容を全地球市民にライブ中継」
藤堂さん:「本当にどこまでもお気楽な奴だな」
土方さん:「俺は山南の線でいいと思う」
藤堂さん:「(渋い顔で)わかった。その線で各管区を説得してみよう。
あと、旧ヤマト乗組員の内、第一艦橋メンバーだった者を緊急招集してくれ」
土方さん:「任せてくれ」
第四幕場面転換その2
時は、2202年春。場所は、地球衛星軌道上で待機中のガミラス艦内。
バーガーたちが乗ったガミラス艦1隻が、地球衛星軌道上で待機中。
バーガー:「今日がテロンからの回答期限だったな」
新キャラ(バーガーの副官):「はい」
地球から映像通信が入る。モニターに映っているのは土方さん。
土方さん:「待たせて済まなかった。貴艦が申し入れた緊急会談を、明後日午前9:00から開催する。これから、着陸地点までの誘導ビーコンを出すので、貴艦はそれに従って着陸されたし。貴艦乗組員の逗留先や緊急会談の場所等については、着陸後に
説明する」
バーガー:「了解した。我々の申し入れ受諾に感謝する」
第四幕ラストシーン
時は上記の直後。場所は、2199で「ゆきかぜ」が最後の発進をした富士山麓の
宇宙港。
着陸したガミラス艦から、バーガーを先頭に乗員20名が降りてくる。
最後尾に、科学者が着る白衣姿の金髪美女がいる。肌の色は青ではなく、地球人と
同じ色白の肌色。
地球側の出迎えは、藤堂さん・土方さん・真田さん・古代進・島。
ガミラス側5名(上記美女含む)と地球側5名が、横並びで対面(野球のプレーボール前の挨拶と同じ)。残りのガミラス側15名は、先の5名から少し間隔を空けて、
横並びに5名ずつ3列で整列。
ガミラス側はガミラス式敬礼、地球側は地球式敬礼(どちらも2199と同じ)。
バーガー:「俺が全権特使のガミラス航宙艦隊フォムト・バーガー中佐。
横にいる残り4人は特使。後ろの15人は、艦の運用要員だ」
藤堂さん:「私が地球連邦政府代表の藤堂平九郎。長旅ご苦労様」
バーガーと藤堂さんが握手。
以下、対面同士が自己紹介と握手。
最後に、美女特使と島が対面。
美女特使:「私は、ガミラス教育科学省軍事研究局員のテレサ・テレザート。
軍人ではなく軍属だ。苗字で呼ばれるのは好きではないので、テレサと呼んでくれ」
島:「俺は地球防衛艦隊・島大介2佐。島と呼んでくれ」
握手しながら、島が問う。「君はガミラス人じゃないのか?」
手を離してから、テレサ:「私はザルツ人だ。ただし、名誉ガミラス臣民でもある」
バーガーが補足:「彼女の父親は、ドメル閣下麾下のザルツ人艦隊司令官。
非常に有能だったが、11年前に戦死した。当時の総統デスラーから名誉ガミラス臣民に叙せられた。ガミラス中央大学を18歳で首席卒業した逸材だ」
ここで、テレサの設定を説明しておく(下記2以降の設定は、ストーリーが進む
につれてわかってくることで、この場面では描写しない)。
1.容貌は、松本零士美女を結城信輝さん流にアレンジしたもの。
2199で火星で亡くなったサーシャに似ている。そっくりという程ではない。
2.年齢は地球換算で25歳。ちなみに島は23歳。
3.専門は波動エンジンの開発・性能向上だが、波動エネルギー全般に詳しい。
4.非常に美人で聡明なので、一見近寄り難い雰囲気(高嶺の花っぽい)。
しかし、それは猫を被った状態で、素はかなりのお転婆。
銀河鉄道999原作37話「鋼鉄天使」のヒロイン=クローマリアのイメージ。
いかにも島と気が合いそうな性格。
バーガー:「よう、古代、久し振りだな」
古代進:「こっちこそ。そちらも元気そうで何よりだ」
土方さん:「それでは、逗留先のホテルに案内しよう。必要事項は車中で説明する」
出発する来賓送迎公用車の車列映像で第四幕終了。