その他43:分析不能 | 城人のブログ

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深谷克己『日本史リブレット人 052 田沼意次「商業革命」と江戸城政治家』 山川出版社

 

21世紀に入ってからだろうか?

これほどマイナス評価がプラス評価に転じた歴史上の人物も珍しいのではないか。

 

私が高校生の頃は、田沼意次=わいろ政治家 とされ

とにかく幕府政治が金権政治となり腐敗した等と評されていた。

 

しかし、近年は、打ち続く天変地異等の中で、

経済を切り口に幕府政治を立て直そうとしたというような

敏腕政治家としての側面も紹介されるようになってきた。

 

それ自体は、良い面と悪い面の両方があったという事になるのだろう。

 

さて、ここで歴史学会は困った問題に直面する。

江戸時代において、田沼意次(田沼時代)とは何だったのか?という問いだ。

 

本書の中でもいろいろと定義づけを試みているが・・・

 

個人的には失敗していると思う。

 

田沼は田沼でしかない!のだ(笑)

 

そもそも歴史学会(歴史教科書?)は、江戸期の政治家として

新井白石・田沼意次・松平定信・水野忠邦くらいしか取り上げていないではないか!

 

で、田沼以外は、みんな厳しい政策(質素倹約)を打ち出してうまくいかなかった。

一人くらい緩い?政策を打ち出す政治家がいても当然な気がするのだが・・・。

 

そもそも江戸時代以前に比べたら、幕府政治の記録は圧倒的な量で残っているわけで、

歴代老中と比較して田沼がどうだったのか?とか比較的容易に分析できそうな気がするのだが・・・。

 

ま、その上で、田沼は譜代大名ではないし、

本来なら老中になれる家柄でもなかったわけで、

「田沼」が老中になった事が、時代の変革点そのものだったとしか言い様が無いのでは!?