江川卓『巨人論』
甲子園や東京六大学、そしてプロ野球巨人で投手として活躍した江川さん。
巨人の投手として投げている姿をテレビで見た記憶がかすかに残っている。
振りかぶった後、大きく軸足のかかとをあげるちょっと独特の投球動作は覚えている。
私が物心つくかつかないかの頃にプロ野球から引退されている。
巨人入りを熱望し、事件といってもよいくらいの騒ぎを巻き起こしたドラフト会議や、
無愛想なキャラクターで、「ヒール」のイメージが強い。
その半生や、「ドラフト騒動」、自身の投球論、
そして今の選手への講評などが記されている。
騒動では、巨人の小林投手が阪神に入団し、トレードのような形をとって
自身が巨人入り。
特に小林投手への申し訳ないという気持ちは一生消えることはないし
背負っていくと書かれていた。
賛否は別として、結果として大騒動になってしまった重圧を背負いながら
マウンドに立ち続けたメンタルは相当なものだ。
そして本書で語られる生い立ちや野球・人生に関する考え方を知ると、
若くして「自分」が確立していた方なのだと思う。
自分が決めた事は必ずやる。そして結果も出す。
普通に生きていたら味わう事のないバッシングを受けても・・・
強い。強い人だ。
そういう人でないと、巨人のマウンドに立てないのだろうな・・・
ちなみに本書は、YouTubeで配信されたものをまとめたそうだ。
WEBの動画や記事で配信される多くのスポーツ選手の回顧録は、
冗長で頭に入ってこないのだが、
本にまとめてもらうとスッと頭に入ってくる。
と私は思っているのだけど、
さてさてWEB派もいるのだろうか!?