司馬遼太郎『司馬遼太郎短編全集3』
珠玉の短編集とは、まさにこの本の事だ。
昭和35年に、この内容の小説を書いていたとは、
ちょっと信じられない。
幕末・長岡のの河合継之助や土佐の岡田以蔵を主人公に据えている。
その選球眼!
これが試作品的な位置づけで、
後の『峠』や『竜馬がゆく』といった長編につながっていったのだろう。
昭和35年!
当然手書きの時代!
これを全部手書きして、推敲・修正して・・・
アンチも非常に多いと聞くけれど、
読めば読むほどその凄さに圧倒される。
着眼点・主人公の選球眼・関連資料の収集量・解釈・構成・大どんでん返し・・・
長編の全集と合わせて30冊近く読んできたけれど、
外れがない。
いや、全部面白い。
ほとんどの作家さんの作品は、
あれ?という時もあるし、
読み続けていると飽きてくるものだけど、
飽きが来ないんだよなあ。