小説102:珠玉 | 城人のブログ

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司馬遼太郎『司馬遼太郎短編全集3』

 

珠玉の短編集とは、まさにこの本の事だ。

昭和35年に、この内容の小説を書いていたとは、

ちょっと信じられない。

 

幕末・長岡のの河合継之助や土佐の岡田以蔵を主人公に据えている。

その選球眼!

 

これが試作品的な位置づけで、

後の『峠』や『竜馬がゆく』といった長編につながっていったのだろう。

 

昭和35年!

当然手書きの時代!

これを全部手書きして、推敲・修正して・・・

 

アンチも非常に多いと聞くけれど、

読めば読むほどその凄さに圧倒される。

 

着眼点・主人公の選球眼・関連資料の収集量・解釈・構成・大どんでん返し・・・

 

長編の全集と合わせて30冊近く読んできたけれど、

外れがない。

 

いや、全部面白い。

 

ほとんどの作家さんの作品は、

あれ?という時もあるし、

読み続けていると飽きてくるものだけど、

飽きが来ないんだよなあ。