新書58:やっぱり謎 | 城人のブログ

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早島大祐『明智光秀 牢人医師はなぜ謀反人となったか』

NNK出版新書608

 

著者は、日本中世史(時に戦国時代の京都)の研究において

最も実証的で、かつ面白い新説を唱える研究者だと思う。

 

今作もタイトルから飛ばしてきた!

明智光秀は牢人医師だった!と。

 

冷静に考えれば牢人と医師は並立しないと思うけど・・・。

 

足利義昭や織田信長に仕官する前、

特定の主君に仕えていなかった時代に、

医師のようなこともして暮らしていたという。

 

もっと気になったのは、織田信長に仕官した時は文官だった。

しかし、相次ぐ戦線の拡大で人材不足に陥り

武官として出動したという指摘。

 

文武両道の武将というイメージがあったのだが、

そういう履歴を辿っていたのか・・・。

 

特定には至っていないけれど、出自もかなり絞れてきている。

室町幕府第15代将軍・足利義昭に仕えた時の状況なども詳述されていて、

その人となりはかなり判明したと言える。

 

でも、この著者をもってしても、

「本能寺の変」の真相にはたどり着けず。

 

著述の分量からしても、手の付けようがなかったようだ・・・。

 

そもそも400年前に生きていた人物の履歴がこれほど分かる事の方が

すごいのだけれど・・・。

 

それでも出自・前半生と最後の叛乱の真相が分からないというのもすごい・・・