小説⑨:もはや和歌山ファン津本陽『雑賀六字の城』『津本陽歴史長篇全集第二巻』所収戦国時代に織田信長と対立し、戦った紀伊国・雑賀衆の話。雑賀衆といえば、鈴木孫一が有名だけど、この話の主人公は、もうちょっとマイナーな地侍というか、一向宗門徒。若者が盲目的信仰への疑問や、死の恐怖と葛藤しながら信長との戦に臨む姿についつい感情移入。さらに、『全集』の第一巻から、紀伊国(和歌山県)の話が多く、当地の方言で書かれているから、方言にも慣れるし、なおのこと主人公の心情にのめり込んでしまう。もう和歌山ファンです!