PCブラウザで、キーボードによるいいね!ボタンの操作ができるようになりました

 

この記事を書く際に、「これは改善なのか、不具合修正なのか」とチームで議論することがありました。

 

アクセシビリティ改善の多くが不具合修正でもあります。

 

今回の現象は「いいね!ボタンがキーボードで操作できなかった」であり、原因は「いいね!ボタンがキー操作を受け付けないような実装になっていた」です。現在のAmeba Accessibility Guildelinesに準拠した実装をしていれば、初めからキーボードでも問題なく使えていたはずです。つまりこれは不具合修正なのではないか、という意見がありました。

 

しかしあえて「改善」という言葉を選んだのは、「キーボードで操作ができること」が実装当時の要件として明示されていなかったからです。要件になかったもの全てを不具合と呼ぶのは、ありとあらゆる(アクセシビリティに限らず)事象を想定しなくてはいけなくなります。今回Ameba Accessibility Guidelinesに沿って「キーボードでの操作」を新たに要件として追加したため、「改善」という表現をしました。

サービスの規模ゆえの、アクセシビリティ方針

サービスの規模の大きさ・歴史の長さ・仕様の複雑さから、全てをすぐに改善するのは現実的ではありません。これはアクセシビリティに限った話ではありません。いいね1つの修正ならば簡単ですが、それが無数にあった場合、全てを修正するために何年かかるかわからないのです。
(現状の課題点を把握するために、小規模ながら、試験を実施している最中です)

 

そこで、アメブロでは

 

誰もがいつでも、迷わず「書く」「読む」「応える」ができる状態を目指す

 

をアクセシビリティ改善の方針としています。

 

ブログを書くこと、読むこと、それにリアクションをするというアメブロのコア機能のアクセシビリティを優先的に高めていく、という方針です。この方針は事業指標にも沿っており、コア機能にアクセシビリティの問題があるのはサービスとしても課題になります。

 

課題の改善とともに、開発者自身が課題を発見できるよう、社内での啓発も同時に進めています。
歩みが遅いながらも、確実に前進していくほかありません。

 

アクセシビリティに関するお問い合わせについて

今回のように、お客様からのお問い合わせで発覚し、これはすぐにでも対応しなければと動けるケースもあります。いいね!機能は、アメブロのコア機能の1つですので、優先度高く検討することができました。
アクセシビリティの改善は、しばしば優先度が下げられてしまいがちです。しかし現実に、困っていらっしゃる方がいるという証拠になるので、お問い合わせの力は絶大です。

 

ブログが中々表示されない、記事が投稿できないなど、アクセシビリティにかかわらず、たった一つのお問い合わせでも、困っている方がいらっしゃれば、修正する理由になります。(もちろん時間がかかることもあります)

 

アクセシビリティに関するお問い合わせは、全体の中では少ないものですが、一つ一つ確認して順次検討しています。
どうか、アメブロで使えないことがあっても、諦めないでください。と言うのはお客様頼み過ぎると思いつつも、声を上げてもらえることを期待して、「アメブロがアクセシビリティに取り組んでいるサービス」であることが、いま困っている方に届いて欲しいと思っています。
これがAmeba Acessibility Teamのブログを立ち上げた理由の一つでもあります。

 

Twitterでもこのブログでも、お問い合わせ窓口からでも構いません。困っていることがあればお聞かせください。
全てをすぐに改善できるわけではありませんが、100年愛されるメディアを作るために、一つ一つ検討し前進させていきたいと考えています。