GW最終日の雨がうそのような晴天です。
やはり太陽が見られるとすっきりした気分
になれます。

梅雨に入る前にご用心😵の話
よかったらお付き合いください。

中医学でも湿(邪)は下に向かい、身体を
重だるくするとしています。

身体が重くなると、上のイラストのように
腰が下がる、あるいは後ろに引けた状態に
なり、そうなると上半身も前屈みになる、
いわゆるがっかりしたみたいな、元気なさ
そうな姿勢になってしまいます。

気分的にそう元気がないわけではないと
思っても、お天気に引っ張られた身体が
気持ちにも影響してきます。
なんとなく憂うつというような。

イラストの姿勢だと、下腹(下丹田)に
力を入れたくても入れられない、腹や腰の
据わらない状態です。

最近、北村   薫先生の 紙魚家崩壊 
という短編集を読み返しました。




あ、と思ったのは、冒頭の「溶けていく
という作品です。

短大卒業後、就職し、一人暮らしを始めた
女性があることをきっかけに現実ととある
漫画の絵柄を使って自分が作り上げた虚構
の境が失われていくという物語でした。

そのきっかけというのが、職場で唯一、
同い年のアルバイト男子大学生があいさつ
もなく、辞めてしまったということです。
(もしかしたら二人の間のエピソード読み
過ごしているのかもしれませんが)

多少離れた職場で、たまに立ち話をする
程度の間柄。
共通点は同い年ということだけで、年の
近い同僚がいない主人公(美咲)にとって
数少ない気楽な相手で、もしかしたら異性
としても好ましい人だったかもしれない。

そんな人が声もかけずにいなくなるのは
おもしろくはないにしても、そう引きずる
ほどのことではないのでは?と思いました。

ネタバレになるのでくわしくは書きません
が、その後もいろんな出来事が起こります。
ショックだけど美咲を現実に引き戻す縁に
なるのでは?という岐路もあったのに、
結局、戻れないまま話は終わりを迎えます。

この季節に再読したせいか、「梅雨時の
空気は、妙にねっとりとして」という一文
が残りました。

就職して4月5月がめまぐるしく過ぎ、
仕事にも慣れ、ふと緊張感が緩む時期。

これまでの疲れも出て、季節的に身体が
重だるく、気持ちもしゃんとしない。

つまり、下丹田に力が入りにくい

そんな時期の出来事だったから思いがけず
大きな孤独感を感じたのではないか。

有無をいわさず交感神経が暑さと戦うため
緊張状態になる真夏なら。
震えるほど、身が引き締まる冬なら。
公私とも環境に慣れるほど時間が過ぎた
ころなら。

美咲は現実を見失うほどショックを受けず、
また、引きずらなかったかもしれない。
暑さや寒さきびしい時期は、ささいな他人の
動向より、まず自分の体力気力を保つのが
最優先。


エアコン等、文明の利器は数あれど、人間
はやっぱり自然の影響を受ける動物であり、
身体が受ける影響は頭、心理の状態と切り
離せない、と読みました(笑)

仕事柄の穿った深読みかもしれませんし、
読後感はさわやかとは言えませんが、
忘れられない作品になりそうです。

でも同じように梅雨の時期をすごしても、
その影響をものともしない人もいます。

それはどんな人か。
どうしたら梅雨を元気に乗りきれるのか。

また書きます。
よかったらお読みください。

読んでくださってありがとうございました。