レンジフード 富士工業 BDR-3HE-7517BK モーターのベアリング 交換 (机上訓練) | Ameba-1234abcdのブログ

レンジフードファン 富士工業 BDR-3HE-7517BK モーターのベアリングを交換(机上訓練)したので、備忘録として書き留めておく。
■ レンジフードファン モーターの調査
システムキッチンをリフォームして約12年2か月になるので、レンジフードファンから異音が発生する事象に備えて、レンジフードファンを調査することにした。
本体にラベルが貼られていたので、品名:レンジフードファン、 メーカー:富士工業(株)、型名:BDR-3HE-7517BK であることが判った。
「 レンジフード 異音 」をインターネット検索してみると、「モーターのベアリングが摩耗故障し、異音が発生している。また、ベアリングを交換して修理した。」事例が数多く見つかった。
先ずは、レンジフードファン内で異音が発生している箇所を特定し、モーターの品番と外形を調査する。
(1) スイッチから伸びているケーブルのコネクタを外す。(詳細手順は取扱説明書を参照する。)
(2) 前板を外す。(詳細手順は取扱説明書を参照する。)
(3) スロットフィルタを外す。(詳細手順は取扱説明書を参照する。)
(4) 本体内側の上部手前にある幕板取付金具のねじ(左右各1か所)を反時計回りに2回転程回して緩める。


(5) 幕板を両手で持ち、手前に引いて外す。
(6) 電源プラグをコンセントから引き抜く。

(7) ベルマウスを外す。(詳細手順は取扱説明書を参照する。)
(8) ファンを手で回し、異音が発生している箇所を調査する。
(9) ファンを外す。(詳細手順は取扱説明書を参照する。)
(10) モーターの品番と外形を調査する。

(11) 組み立ては、(1)~(9)項を逆の順序で行う。
    注: BDR-3HE の取扱説明書に記載されている「取りはずし・組み立てのしかた」は、後継機種 である BDR-3HLの「取扱説明書」と同一内容である。
レンジフードファン モーターの品番は 90233661 である。異音はモーターのベアリングから発生(机上訓練)している。
モーターのシャフトピンを取り外すには、高さ 49mm または 61mm の作業台が必要である。
また、nite(独立行政法人製品評価技術基盤機構)ホームページにある事故情報の検索において、キーワード『換気扇 + 富士工業』で検索した結果、火災事故が発生していることが判った。(CSVファイル
モーター内部に液体が浸入した痕跡が認められ、浸入した液体がモーター巻線に付着し、絶縁劣化させたため、レイヤショートが生じて異常発熱し、発煙したと推定される火災事故があった。
よって、 レンジフードファン モーターのベアリングが摩耗故障したので、ベアリングを交換(机上訓練)することにした。
ただし、発火のおそれがあるので、モーター巻線・ケーブル・コネクタは、水・洗剤等の液体につけたりかけたりしないことが必要である。
■ 補修部品と工具の選定と購入
レンジフードファン モーター(品番:90233661)のベアリングを交換した人のブログを参考にして、ベアリングの交換に必要な補修部品は以下のとおりである。

補修部品    品番    メーカー    実勢価格(税込)    備考
ボールベアリング 2個    6200ZZ    日本精工(株)    ¥442     ベアリングの交換部品

 

 

 

 

レンジフードファン モーターのベアリングを交換した人のブログを参考にして、ベアリングの交換に必要な工具は以下のとおりである。
シャフトピンの取り外しと取り付けに使用する工具として、シャフトを締め付けて固定するバイスを選定した。
シャフトピンの取り外しに使用する工具として、「スプリングピンの使い方」で解説されていたスプリングピンの抜き方を参考に、ピンポンチ 2.5mmを選定した。
ベアリングの取り外しに使用する工具として、ギヤプーラー 3本爪 75mmを選定した。
ベアリングの取り付け時、内輪に均等な力で圧入する工具として、丸座金 10X22 と TSユニオンソケット13A を選定した。
モーター外殻の結合に使用する工具として、外殻を仮固定するために十字穴付六角ボルト(M5X15)/バネ座金/平座金/ナットのセット品 を選定した。
工具    品番    メーカー    実勢価格(税込)    備考
精密バイス    TSV-50    (株)三共コーポレーション    ¥1,942     シャフトピンの取外/取付
ピンポンチ 2.5mm×150mm    TPP25    トラスコ中山(株)    ¥253     シャフトピンの取外
ノギス    -    -    所有    シャフトピンの取付
ギヤプーラー 3本爪 75mm    19-1127    (株)ストレート    ¥1,360     ベアリングの取外
六角ボルト P=3 M5X15 (鉄/ユニクロ) 6本入    FO-257    (株)大里    ¥136     ベアリングの取外、モーター外殻の結合
丸座金 10X22 (鉄/ユニクロ) 12枚入    JO-286    (株)大里    ¥105     ベアリングの取付
TS ユニオンソケット 13mm    TS-US_13    東栄管機(株)    ¥63     ベアリングの取付
プラスドライバー    -    -    所有    部品の取外/取付
プラスチックハンマー    -    -    所有    部品の取外/取付
マイナスドライバー    -    -    所有    部品の取外/取付
ウォータポンププライヤー    -    -    所有    部品の取外/取付
ラジオペンチ    -    -    所有    部品の取外/取付
モンキーレンチ    -    -    所有    部品の取外/取付
コンビネーションレンチ 6丁組    B00FB91SLK    SUN UP(株)    所有    部品の取外/取付
5-56 320ml    1004    呉工業(株)    所有    部品の清浄
木片 3片    422×89×19    -    ¥132     作業台

 

 

 

 

 

 

 

■ モーターのベアリングの交換手順(机上訓練)
(1) スイッチから伸びているケーブルのコネクタを外す。(詳細手順は取扱説明書を参照する。)
(2) 前板を外す。(詳細手順は取扱説明書を参照する。)
(3) スロットフィルタを外す。(詳細手順は取扱説明書を参照する。)
(4) 本体内側の上部手前にある幕板取付金具のねじ(左右各1か所)を反時計回りに2回転程回して緩める。
(5) 幕板を両手で持ち、手前に引いて外す。
(6) 電源プラグをコンセントから引き抜く。
(7) ベルマウスを外す。(詳細手順は取扱説明書を参照する。)
(8) ファンを外す。(詳細手順は取扱説明書を参照する。)
(9) 本体内側の上部右側に取り付けられたケーシングへ接続しているモーターから伸びている4心ケーブルのコネクタを外す。(ツメ部を押しながら下側へ引き抜く。)

(10) 4心ケーブルと他のケーブルを結束しているビニールタイを外す。
(11) モーターが落下しないように空いた手で支えながら、モーターを固定している4本の取付ねじを外してモーターを取り外す。 注意: ケーブルやコネクタの結線部は強く引っ張らない。
(12) モーターのシャフトピンを垂直に立ててシャフトをバイスで挟み付ける、または、木片に乗せる。 注意: ケーブルやコネクタは挟み込まない。

(13) プラスチックハンマーでシャフトのピン穴と同じ高さになるまでシャフトピンを叩く。
(14) ピンポンチをシャフトピンにあてがい、シャフトピンが抜けるまでプラスチックハンマーでピンポンチを叩く。
(15) モーターのシャフトを下に向けて、上下のモーター外殻を固定している3か所のツメをマイナスドライバーで起こす。(ツメとモーター外殻の間にマイナスドライバーを入れて時計回りに回す。)
(16) 上下のモーター外殻の隙間にマイナスドライバーを差し込んでモーター外殻を分割する。 注意: ケーブルブッシュ(黄色いプラスチック)は紛失しない。
(17) モーター外殻からローターを取り出す。(ローターを前後左右に動かして外す。) 注意: ウェーブワッシャーは紛失しない。
(18) モーター外殻、シャフトに油がこびりついている場合、5-56で拭き取る。 注意: 発火のおそれがあるので、モーター巻線・ケーブル・コネクタは水・洗剤等の液体につけたりかけたりしない。
(19) 長い方(ファン側)のシャフトに装着されているベアリングを引き抜くため、ギヤプーラーの3本爪を組み立てる。
(20) 必要に応じて、シャフトとギヤプーラーの間に六角ナット(M5)を挟み込み、ギヤプーラーの爪をベアリングを引っ掛けてギヤプーラーの押しねじを手で回す。 注意: Eリングはギヤプーラーの爪を引っ掛けない。
(21) ギヤプーラーの押しねじをレンチで回し、長い方(ファン側)のシャフトに装着されているベアリングを引き抜く。 注意: Eリングはギヤプーラーの爪を引っ掛けない。
(22) 短い方(ファンと反対側)のシャフトに装着されているベアリングを引き抜くため、ギヤプーラーの3本爪を組み立てる。
(23) 必要に応じて、シャフトとギヤプーラーの間に六角ナット(M5)を挟み込み、ギヤプーラーの爪をベアリングを引っ掛けてギヤプーラーの押しねじを手で回す。 注意: Eリングはギヤプーラーの爪を引っ掛けない。
(24) ギヤプーラーの押しねじをレンチで回し、短い方(ファンと反対側)のシャフトに装着されているベアリングを引き抜く。 注意: Eリングはギヤプーラーの爪を引っ掛けない。
(25) 長い方(ファン側)のシャフトを上向きにして、短い方(ファンと反対側)のシャフトを木片の上に垂直に置き、長い方(ファン側)のシャフトにベアリング、丸座金(10X22)、TSユニオンソケットを差し込む。
(26) ベアリングがシャフトのEリングに接触するまで、プラスチックハンマーでTSユニオンソケットを叩く。 注意: ベアリングとシャフトのEリングとの隙間は常時確認する。
(27) ベアリングを木片の上に置き、長い方(ファン側)のシャフトを上向きにして、短い方(ファンと反対側)のシャフトをベアリングに垂直に差し込む。
(28) ベアリングがシャフトのEリングに接触するまで、プラスチックハンマーでシャフトを叩く。 注意: ベアリングとシャフトのEリングとの隙間は常時確認する。
(29) ファンと反対側のモーター外殻にウェーブワッシャーとケーブルブッシュを元どおりの位置に取り付け、ローターとファン側のモーター外殻を組み立てる。 注意: ウェーブワッシャーとケーブルブッシュは組み忘れない。
(30) 上下のモーター外殻をねじ穴の位置が一致するように結合し、十字穴付六角ボルト(M5X15)とナットで仮固定する。
(31) 上下のモーター外殻を固定する3か所のツメをウォータポンププライヤーで折り曲げる。
(32) シャフトのピン穴を垂直にしてシャフトをバイスで挟み付ける、または、木片に乗せる。 注意: ケーブルやコネクタは挟み込まない。
(33) ラジオペンチでシャフトピンを支えながら、シャフトピンが上下同じ長さになるまでプラスチックハンマーでシャフトピンを叩く。
(34) 上下のモーター外殻を仮固定している十字穴付六角ボルトを外す。
(35) 組み付けは、(1)~(11)項を逆の順序で行う。
(36) スイッチを操作して運転状態を確認する。
(37) 運転中に異常な音や振動がないことを確認する。
■ まとめ
 レンジフードファン モーターのベアリングを交換(机上訓練)するために必要な補修部品と工具の合計金額(税込)は \4,433 円であった。注:2021/1/24 時点の実勢価格
今後、レンジフードファンのフィルムコンデンサを交換する または モーターと操作スイッチを更新する適正交換時期を調査していく。注:2023/12/17 時点の実勢価格
補修部品                                      品番                                           メーカー                 実勢価格(税込)
BDR-3HE-7517 モーター組立        BDR-3HE-7517-M                   富士工業(株)        ¥19,340 
BDR-3HE-7517SI スイッチユニット  BDR-3HE-7517SI-SUICCH        富士工業(株)        ¥9,580
■ 注意事項
 レンジフードファン モーターのベアリングの交換作業(机上訓練)は備忘録なので、このブログを参考にして起きた人的被害、物的損害については当方は一切の責任を負わないものとします。
参考にされる方は自己責任でお願いします。