コリスの恩返し~後編~
「コリス…」麻衣は自分の部屋の中で、窓から夜空を見上げ呟いた。
コリスがいなくなってから半年が経った。毎日毎日、麻衣はコリスが戻ってくるのを待った。
どうして急にいなくなってしまったのか…あんなに私に、家族にも懐いてくれてたのに…私の大切な家族なのに…
麻衣はずっと分からないでいた。コリスがいなくなってしまった訳を
もしかして本当の飼い主さんの所へ帰っていっちゃったのかな…?寂しいよコリスがいないと…
麻衣と麻衣の家族はコリスの事が本当に大好きだった。
コリスは私達家族の事好きじゃなかったのかな…?麻衣はそう思うと瞳から涙が溢れてきた。「うっコリス…」
ピンポーン
麻衣が泣いていると、玄関のインターホンが鳴った。その日家には麻衣しかいなかった為、麻衣は涙を必死にぬぐうと玄関へと走りドアを開けた。
「えっと…誰ですか…?」ドアを開けるとそこには知らない女の子が立っていた。
「麻衣ちゃん…黙って姿を消してしまって本当に御免なさい!」その女の子は急に麻衣に向かって頭を下げ謝ってきた。
「えぇっえっ?」麻衣は意味が分からずその女の子をただ見つめていた。すると女の子が頭を上げまた口を開いた。
「私、コリスですっ動物の神様にお願いして人間の姿にして貰ったんです」
「………うっ嘘だよね!?」麻衣は急な発言にびっくりし、動揺しながら聞いた。
「嘘じゃありません、ほらあの時の傷…」と女の子は言い、足の傷を見せてきた。確かにそこには拾ってきた時に手当てをし、跡が消えなかった傷があった。
「それにこの首輪」女の子は自分のしている赤くて鈴のついた首輪を指さしながら言った。それは麻衣がコリスの為に買ってあげた首輪と全く一緒だった。
「………」麻衣は突然の出来事に驚き黙ってしまった。
「麻衣ちゃんにどうしても恩返しがしたかった。あの日、前の飼い主に捨てられた私は本当に悲しい気持ちでいっぱいだった…でも麻衣ちゃんは私を一生懸命大切に育ててくれた…」女の子は泣きながら言った。
「だから人間の姿になって恩返ししたいと思って…神様から与えられた試練を乗り越えて人間になる事が出来たんです、信じて貰えないかもしれないけど…」女の子がそこまで言うと
「おかえりっコリス…また一緒に暮らそっ」麻衣はいつの間にか目に涙を浮かべてそう言った。
「ありがとう…っ」コリスは止まらないほど涙を流し喜んだ。
これからは麻衣ちゃんと家族の為に…大切にして貰ったお礼に、いっぱい恩返ししよう…コリスは心の中でそう強く誓うと
「リスの姿の方が良かったな…」麻衣のボソっと呟く声が聞こえた。
「えぇぇぇぇぇっ!?」
終わり