凄いものを観たと思う。


普段、舞台を観る時に、

これみよがしに泣いたりしないが、

終盤は、ウミガメの産卵状態で、

目から涙が垂れてしまった。

今までで、一番涙した作品の気がする。



特攻隊で飛び立つ前の一日だけ、

野球をする事を許された少年達の話。

一日だけ、特攻の事を忘れて、野球に夢中になる少年達。


誰もが想像する結末に向かって、話が進むが

とにかく野球をする。しまくる。

1回から9回までしっかりと。


開演前は撮影OK。


JCSが舞台にエルサレムの荒野がある様に、

舞台に野球場があった。


野球を観せるって、

キャッチボールな感じかと想像していたら、

投げる度に、打つ度に、

舞台のあらゆる位置に場所を変え、

試合が進んでいくので、スピード感があり、本当に野球を観ている様。

本当のボールが飛び交ったり、

照明や音だけで表現する時には、ボールがミットに入ると白い粉が舞うなど、芸が細かい。


因みに、開演前のアナウンスでは、上演中にボールが飛んできた場合は、舞台に投げ返さないで下さいと。


舞台全体、客席通路まで使って、

終始、走りながらフォーメーションが変化していくので、

俳優さん達は、段取り、稽古の大変さが容易に想像出来る。


桑田真澄さんが野球指導をされたそうで、

野球のプレイもなかなか上手かった。


野球の試合を進めながら、

それぞれの人物背景が紹介されていくが、

みんな明日、死んで行く少年達。

それを思いながら観るので、涙がツーっと出てしまった。


ただ重苦しいだけではなく、

随所に笑える場面も散りばめられていて、

休憩込みの3時間、飽きる事は無かった。

上演時間を見た時に、

1幕と比べて、2幕が長いなぁと思ったけど、

その心配は稀有に終わった。


とにかく運動量、熱量が凄いキャストの皆さん、

舞台上で野球を飽きさせずに観せる工夫を凝らした演出、

とても素晴らしい舞台だった。

日常的に野球中継を観たりしない自分でも、全く問題なかった。


終演後は、トークショー付き。

橋本祥平さん、財津優太郎さん、大隅勇太さん、大見拓土さんの4人が登場し、桑田さんとの野球の練習、楽屋ネタなど、楽しい話で和んだ。


当然ながら若いキャストさんが多いので、

劇場は若い女性が多かった。