程よく気温が上がり暖かくなってきたのに
雨の日が多くなりそうな一週間![]()
雨もたまには降らないとね〜と思いながら
久しぶりの雨続きにちょっと憂鬱です![]()
雨の日は基本好きなんですが休みの日に限る
仕事の日はただただ憂鬱〜〜〜![]()
そんな雨の日にぴったり(??)なこんな一冊
一次元の挿し木
松下龍之介
2025年『このミステリーがすごい!』大賞
ヒマラヤ山中にあるルークプンド湖で発掘された二百年前の人骨。遺伝人類学を学ぶ大学院生七瀬悠がDNA鑑定にかけたところ、四年前に失踪した妹紫陽のものと一致する。
不可解な鑑定結果を相談しようとした矢先何者かに殺害される教授。古人骨の発掘に関わった調査員やそれをネタに記事を出そうとした記者らも謎の失踪をとげる。
やがて妹の失踪と古人骨の謎の真相を突き止めるべく動き出す悠の周囲に不穏な影が付き纏いーーー
DNAが謎を呼ぶ壮大なスケールのミステリー
遺伝人類学というちょっと小難しいジャンルがテーマなので読み切れるかな〜と不安でしたが難しさを感じることなく物語に没入できました
人類が研究し続けてきたDNA
現代はその鑑定精度も100%で一致するらしい
骨だけで『この人骨がいつの時代のものであるか』の年代測定も可能だとか
科学の進歩もすごいな〜

こういう研究を日夜続けておられる研究者がいるからこそ解明される歴史や事件も多いのだと思うと頭が下がる思いです
しかしその探求心も度が過ぎると…ってお話
人の欲望は際限がない
小説の導入部でも軽く触れるのですが、科学者の間でも認識が割れるという「フランケンシュタイン」のお話
人の手によって生み出された怪物として有名なあの話がリフレイン
果たしてフランケンシュタインは幸せだったのかという難解なテーマがこの小説に重なる
この話あんまり書くと相当なネタバレになりそうなので軽く触れる程度にしておきます
古人骨のDNAから広がる謎が謎を呼ぶ展開が面白くぐいぐい物語に惹き付けられました
そして悠と紫陽の関係性もなんだか儚いけれど美しくて。。。しんみり
現代と過去を行き来しながらの謎の提示が上手くて飽きることなく最後まで楽しめました
ミステリー要素だけではなく話が進むにつれて手に汗握るハードボイルド
からのホラー

次々とジャンルが変化していく展開も刺激的
ちょっと最後の展開の早さは拍子抜けした部分もあったかな〜とも思いますが、
ちょっぴり切なさが残るラストと科学が生み出した壮大なテーマ
紫陽花が咲き誇る場所に佇む紫陽の姿が脳内ビジョンに焼き付くような魅力的な一冊でした
年度跨ぎのこの時期は毎年の事ながら仕事が忙し過ぎて毎日仕事&家事のみで日々が過ぎていく〜
そうそう、本屋大賞が年明けすぐということもあり、ノミネート作品今年こそ全作読もう!と思った矢先のこの時期なので結局時間なくて本が読めないのよね〜っていうのを毎年繰り返してる気がする
今年こそは気合いで全部読みたいな〜ととりあえず読めてない本を揃えてみる
時間を上手く使って全作…読めるといいな
最後まで読んでくださり、ありがとうございます

