ame1810のブログ

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 今は大谷翔平、過去には渋沢栄一、大倉喜一郎、五代友厚、松下幸之助等々そうそうたる日本を代表する人物が何人も海を渡って海外で刺激を受け、志を遂げてきた。

 ジャンルこそ違え、才能と志の強さでは彼らに引けを取らなかったエンタテイナー三浦春馬が何故自分の志を遂げられなかったのか? 彼の不運は所属した芸能事務所にあった。彼の所属したA事務所が創立以来目指してきたことは日本で最大手の会社になる事であった。最優先は所属アーティストがが稼ぐ利益であった。利益を得るためにはなりふり構わなかった。長年続けてきたチャリティイベントもそれによって得られる莫大な収入が狙いであった。海外の不幸な子供たちのための生活資金・教育資金に充てるというのが表向きの名目であったが、実はその収入の大半は会社の利益のために流用されたのであった。このことに気づいた三浦春馬はこの募金の使途の透明化を訴え続けたが会社は取り合わなかったのだ。彼はこのことを切っ掛けに会社に対するさまざまな疑念を強めていったのだった。

 三浦春馬は知らぬこととは言え、自分が悪事の片棒を担がされる立場にいることに耐えられなかった。もともとレベルの高いハリウッドで活躍したいという夢を抱いていた彼はA事務所から独立することを切望した。少年のころから求道心があった彼は日本の伝統芸能に惹かれその精神性を学び自分を磨くとともに、賢人たちの知恵に学び、自分がいかに生きるべきかと考え、その哲学を人生の武器にしてよりよく生きたいと思うようになっていたのだ。このことは20代のインタビューで発言していた。

 一方、自らを大きくすることしか考えなかった会社は、有名になって利益をもたらす所属のアーティストを手放すことは考えられなかったし、これまでもアーティストの独立を許さなかった。

 しかし、会社の体制に盾突くようになったアーティスト、契約の更新を拒絶するアーティストはいわば邪魔者であった。

 かくして三浦春馬はアーティストとしての命を絶たれたのだった。他のアーティストのように「長いものに巻かれる」生き方を選ぶしか他に生きる道はなかったのだ。