私は三年前に脳出血で死にかけました。
今でも半身に重い後遺症がありますが、初めの頃はその後遺症も少しずつ良くなってゆくと思っていました。
悪くなることはないと。
感覚みたいなものは確かに少しずつ良くなりました。逆に戻ってきて、その感覚が無かったことに気づくことも多くあります。
感覚が無かったり、過敏だったり、とても生き辛い。
私の場合は半身に強い痺れがあり、これが悪化しています。
感覚が戻ってきているのに痺れがどんどん悪化している。なぜ?
感覚が戻ってきているから、痺れも分かる?のかなぁ。
正直、歩行も苦しくて油断すると転倒しそうになる。
すべてに苛々する。
実は脳出血で入院している時に、リハビリに若い理学療法の先生がいつもの担当の先生の代わりに来られた日がありました。
その先生は、私の仕事の話を詳しく聞いてくるから復帰に向けてアドバイスをくれるのかなと思いました。そしたら言われたのが「こんな人間としては壊れちゃって笑、仕事の復帰は無理でしょう?笑笑笑。仕事できなくなって収入が無くなったらどっやって生きてゆくんですか~?笑笑笑笑笑」
そんなふうに聞かれた。
とてもイマドキの若者の雰囲気で悪気があると言うより、なんか思ったことを素直に尋ねたって感じで、心配していると言うより、とても楽しそうでした。
もしかしたら、言っていることは正論なのかもしれませんが、脳出血で死にかけた直後の人間にする話なのかって思ったのがホンネです。半身の麻痺を受け入れるのに苦しんでいる時に、追い討ちをかけられた心境でした。
あれから三年ですが、なんか楽しそうに笑っていたあの顔が今でも忘れられません。
自分の体の不自由さを嘆くとき、あの言葉を何度も思い出します。
生きてゆきたいです。
父は白血病なので、もう時間がありませんが、それでも私は一人になっても生きたいのです。
あわれな人生と少しだけ同情され、すぐに忘れ去られる人生なのかな。
お葬式さえ無いかもしれない。
それでも希望は捨てたくない。
まだ、生きているんだから。