私は幼い頃、人込みが嫌いでした。

 賑やかな所は好きなんです。

 でも、他人は疲れるのです。

 他人の心の声が私の中に入ってきては騒ぐのです。その要求に従わないと苦しくなるのです。無視すると何日も罪悪感にうなされるのです。


 人には陰キャラを演じますが、私の中核は陽気で楽天家でお喋りでお洒落な王子様キャラです。

 でも、いつしか母の前だけの自分でした。それに、その主人公を閉じ込める悪魔のような闇が私にはあったからです。

 それが人見知りであり対人恐怖症であり極度の不安でした。何か常に心が耐えて戦ってました。そして疲れていました。冒頭で書いたように。

 

 家では朝から寝るまで喋り続けて家族には常にうるさいと煙たがれる私でしたが、学校ではほぼ一言も喋りませんでした。顔も鉄仮面のように冷たい無表情を貫きました。

 すべては自分の心を守るため。


 小一で担任が校長に私の退学を強く求めて、それから二年くらい教師からの無視やイジメ?とも戦いました。正義感が強く頑固でした。

 ただ、私に何の否も無いのに、母が号泣して担任に謝罪する姿は私の人生において最大のトラウマになったかもしれません。


 振り返ると、散々でボロボロの幽霊船のような人生ですが、私の精神が病名がつくものかもしれないと思ったのは実は最近です。逆に最近までは性格の問題だと思っていました。


 いろんな人のブログや記事を母が亡くなってから読むようになり気づくようになりました。


 無理は出来た。

 無理してがんばることは出来る。

 でも、電球が突然に消えるように、ショートしたように、心がグニャってつぶれる。壊れる。


 だから私は幽霊船です。

 死んだ幽霊じゃなく、人から見えないように生きてきたけど此処にいるよって意味です。


 少しずつ、しんどいですが、誰かの人生や心も、インプットして、咀嚼して、いつか文字にして、アウトプットしたいと思います。


 心が耐えられるか分かりませんが、今は人を言葉でスケッチしたい。

 そんな渇望は強いようです。